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エジプト 夜間外出禁止令延長も混乱拡大

2011年1月30日 10:20

 反政府デモが続くエジプトでは29日、夜間外出禁止令が延長されたが、これを無視する形でデモは続いており、混乱が拡大している。

 ムバラク大統領は29日、更迭した首相の代わりにシャフィク前民間航空相を、また副大統領にスレイマン国家情報庁長官を指名した。2人とも軍出身で、軍部に頼って事態を乗り切ろうという姿勢を鮮明にしている。

 しかし、市内の警備にあたっている軍の部隊は中立の立場を貫いているように見える。29日も首都・カイロの中心部では、ムバラク大統領の辞職を叫ぶ大規模なデモが行われたが、兵士が市民を取り締まる姿は見られなかった。

 AP通信によると、28~29日の騒動で62人が死亡、2000人以上がケガをした。また、市民の報復を恐れたためか、警官や治安部隊が姿を消したため、治安は急速に悪化している。政府関係の建物に加え、博物館などでも略奪や破壊が相次いでおり、市内には市民が組織した自警団の姿も見られるようになった。反政府デモを繰り返す市民側とムバラク政権の間でこう着状態に入る中、混乱が拡大している。