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原油価格上昇 鍵握るリビア情勢を記者報告

2011年3月10日 1:31

 北アフリカや中東の情勢を受けて、ガソリンの価格が上昇を続けている。日本でのガソリン価格高騰の背景には、世界的な原油価格の上昇がある。内戦状態に陥っているリビアなどの政情不安が引き金になって、中東地域の原油供給に不透明感がでてきているためだ。原油の価格動向の鍵を握るリビアの情勢について、富田徹記者が報告する。

 リビアの中でも、石油関連施設が集中する西部・ザウィア、東部・ラスラヌフの争奪戦が激しさを増している。反政府側の関係者に聞いたところ、ラスラヌフでは9日朝の戦闘だけで約60人が死亡したという。

 ロイター通信は、一部の石油精製施設が戦闘の影響で停止したと伝えている。金で大量の外国人傭兵(ようへい)を雇っているとも伝えられている最高指導者・カダフィ大佐にとって、石油の収入はまさに生命線で、総力をあげてこうした石油関連拠点の奪回を目指している状況。

 反政府側の代表は、カダフィ大佐が72時間以内に国外に退去すれば刑事訴追しない考えを示した。今後は事態打開に向けた動きが本格化するのかが焦点。