岸田首相「出馬いたしません」電撃表明の理由は? “ポスト岸田”めぐる動きも…
岸田首相は14日、9月の自民党総裁選に立候補しない意向を表明しました。電撃表明となったその理由とは? そして、早くも“ポスト岸田”の動きも活発化しています。
◇
14日午前9時過ぎ、岸田首相はいつものように官邸に入りました。この時はまだ側近ら、ごく一部の人しか“決断”を知りませんでした。
身につけていたのは“青色の勝負ネクタイ”。それから約2時間半後には…
岸田首相(14日午前11時半ごろ)
「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は、私が身を引くことであります。私は来る総裁選には出馬いたしません」
自民党総裁選に、立候補しないと表明したのです。理由としてあげたのは、派閥の“裏金問題”などが招いた政治不信です。
岸田首相(14日午前11時半ごろ)
「もとより所属議員が起こした重大な事態について、組織の長として責任をとることに、いささかの躊躇(ちゅうちょ)もありません。私が身を引くことでけじめをつけ、総裁選に向かっていきたいと考えています」
いずれ責任をとることは、問題発生当初から心の中で決めていたことを示唆しました。
「岸田総理退陣です。号外です」
お盆に行われた“電撃表明”。各所に衝撃が走りました。
街の人
「突然の事だったのでビックリしました」
「予想はしていましたけど、早かったなって」
驚きの声は、自民党内からも──
小野寺元防衛相
「大変おどろきました。総理が今回、自ら政治責任をとられたということを、重く受け止めております」
「急で、なぜ今?って感じだ」と話す閣僚経験者も。
このタイミングで表明した理由について岸田首相は“外交の日程に一区切りがついた”と説明しました。
岸田首相(14日午前11時半ごろ)
「いわば政治家としての意地をしっかり示した上で、これから先を考えた場合に自民党の信頼回復のためには、身を引かなければいけないということで今回の決断をした」
ある自民党幹部は「党内情勢を冷静に分析し、総裁選に出ても勝てないという判断に至ったのだろう」と指摘しています。
現職の首相が表明した不出馬。これを受け、9月の総裁選に向けた党内の動きが本格化します。さっそく意欲を示したのが、過去4度出馬している石破元幹事長です。
岸田首相の会見後、訪問先の台湾で次のように話しました。
自民党 石破茂元幹事長(台湾、14日午後3時ごろ)
「わたくしのような者でも一緒にやろうという方々、総裁選に推してやろうという方々が20人おられれば、ぜひとも総裁選挙に出馬したいと思っております」
これまで、総裁選への態度を明確にしてこなかった岸田首相。今回の表明を受け、茂木幹事長や河野デジタル相のほか、高市経済安全保障担当相といった現職の党役員・閣僚の中からも立候補しやすくなったとの見方が出ています。
また、若手・中堅議員の間で“出馬待望論”があがっているのが、小林鷹之前経済安保担当相(49)です。
そして、小泉進次郎元環境相(43)も、最近になって出馬を模索し始めています。
岸田首相の会見後、赤坂にある議員宿舎には、多くの議員が出入りする様子が見られました。
野党からは…
立憲民主党 泉代表
「党が危機になると総理総裁を代えて、心機一転、過去を忘れてもらうと。私はそういう手法に国民がいつまでも引っかかっていてはいけないと考えます」
新たなリーダーを「一兵卒として支える」と話した岸田首相。新総裁に、次のように求めています。
岸田首相
「今度こそオール自民党でドリームチームを作って、信頼回復に向けてしっかりと取り組んでもらいたい」
20日に決まる総裁選の日程。事実上、次の首相を決める選挙の号砲が鳴った形です。