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日本人は核に「ノー」を~村上春樹さん

2011年6月11日 2:00

 作家・村上春樹さんが、人文科学の分野で活躍した人に贈られるスペインのカタルーニャ国際賞を受賞した。村上さんは、バルセロナで9日に行われた授賞式のスピーチで、「我々日本人は核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった」と原子力発電に反対する意見を述べた。

 村上さん「この福島第一原発事故は、日本人が体験する2度目の大きな核の被害です。しかし、今回は誰かに爆弾を落とされたわけではありません。どうしてこんなことになったのでしょう。答えは簡単です。効率です。我々日本人は、核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった。我々は技術力を結集し、持てる英知を結集し、社会資本をつぎ込み、原子力発電に代わるエネルギー開発を国家レベルで追求すべきだった。損なわれた倫理や規範の再生は、我々の全員の仕事になります。皆で力を合わせて、その作業を進めなくてはなりません」

 村上さんは20分にわたってスピーチし、原子力発電への異議と災害の克服を強調した。また、賞金約920万円は東日本大震災と福島第一原発事故の被災者への義援金として寄付する意向。