ドイツの文学賞に作家の村上春樹さんが選ばれ、授賞式が７日、行われた。

　村上春樹さんはドイツの新聞「ウェルト」の文学賞に日本人として初めて選ばれ、ベルリンでの授賞式に出席した。

　村上さんはスピーチで、９日にベルリンの壁の崩壊から２５年となることに触れ、「壁」は作家として常に重要な題材だったと話した。

　その上で、「たとえ壁の中に捕らわれていても壁のない世界を語ることはできるし、自分たちの目で見ることも、懸命に努力すれば、みずから手で触れることさえできるのです。そしてそれこそが大切なことを始める出発点となりうるのです」と話した。

　村上さんは最後に、「このメッセージを今まさに壁と闘っている香港の若者たちに贈りたい」と締めくくった。