シャトル船長「友人に別れ、乗り越える」
最後のスペースシャトル「アトランティス」が日本時間21日夜、アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターに帰還した。シャトルはこれで完全に引退となり、30年の歴史に幕を下ろしたが、乗組員からは引退を惜しむ声も聞かれた。
13日にわたる最後のミッションを終えたアトランティスの機体には変色した跡があちこちに見られ、飛行の過酷さを物語っていた。NASA(=アメリカ航空宇宙局)の関係者は感慨深そうに、30年間、宇宙開発をリードしてきたシャトルの最後の姿を写真に収めていた。
クリストファー・ファーガソン船長は、会見で「シャトルがなくなる悲しみはあります。しかし、それは予期していましたから。友人に別れを告げることになりますが、乗り越えていきます」と述べた。
シャトルの後継機をめぐっては、民間の会社も参加して開発が進められている。しかし、有人飛行が可能になるまで数年はかかるとみられており、開発の遅れに批判の声も出ている。
アトランティスは今後、燃料の抜き取りなどの整備作業が行われ、ケネディ宇宙センターの見学施設に展示される予定。