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EU、銀行自己資本比率を9%に増強で合意

2011年10月27日 8:29

 ヨーロッパの信用不安の拡大を防ぐため、対策を話し合うEU(=欧州連合)の首脳会議が26日、ベルギー・ブリュッセルで開かれ、銀行の自己資本比率を9%に高めるべきという資本増強策で合意した。包括的な対策の一つである銀行の資本増強策では合意したものの、他の対策については協議が難航しているもよう。

 EUの議長国であるポーランドのトゥスク首相は会見で、銀行の連鎖破綻を防ぐため、来年6月末までに銀行の自己資本比率を9%に高めるべきとの考えで合意したと発表した。基準を満たしていない銀行は、ボーナスや配当の支払いで制約を受けるとしていて、自力での資金調達が難しい場合は、公的資金を注入し、「EFSF(ヨーロッパ金融安定化基金)」も活用するとしている。地元メディアなどは、資本増強の総額が1000億ユーロ(約10兆円)規模になると伝えているが、会見では明らかにされなかった。

 一方、この他の対策である「ギリシャの債務削減」や「基金の拡充」については「政治的な合意には近づいている」としながらも、協議は難航しているもよう。具体的な金額や数値など、詰めの協議は今後の会議に先送りされる見通し。

 EUは、来月初めのG20(=20か国・地域)首脳会議までに包括的な対策を示すことを国際公約としていたが、実現は難しい状況となった。