真冬のニューヨークに現れたヒマワリ畑
アメリカ・ニューヨークの中心部に現れた季節外れのヒマワリ畑。そのワケは―
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高層ビル群を吹き抜ける風がほおを刺すような冷たさの真冬のニューヨーク、マンハッタン。早足で歩いていたニューヨーカーが皆、足を止めて見つめる先には季節外れのヒマワリ畑がある。
ヒマワリはウクライナの国花。その傍らには「自由のために団結を」と記された青色と黄色のウクライナカラーの看板が設置されていた。
このヒマワリ畑(造花)は、ウクライナの統一記念日にあたる1月22日に合わせて、ウクライナから大勢の避難民を受け入れる隣国ポーランド政府の協力により設置されたものだ。
ヒマワリの数は335本。ロシアによる侵攻開始からの日数を表しているという。
在ニューヨークのポーランドの総領事は、「このヒマワリを通してウクライナでの戦争がまだ終わっていないことを認識してもらうことが重要だ」としている。
孫とともにヒマワリを見に訪れたウクライナ人の女性、ゾーヤさん。首都キーウの出身だ。
親戚や友人の多くはいまもウクライナで生活を送っている。ニュースでロシアによるウクライナへの攻撃を見るたびに涙を流すというゾーヤさん。
ヒマワリを見ながら美しくて平和だった故郷の景色に思いをはせていた。
ウクライナの首都キーウ出身・ゾーヤさん「祖母の家にいるかのようです。 田舎で周りには広大な畑が広がっていました。とても美しくて平和でした。この展示は、ウクライナ人に何が起こったかを忘れてはいけないということを人々に示すのに役立っています」
ヒマワリを見つめる人の中にはロシア人の女性も…涙で声を詰まらせながら平和への思いを吐露した。
在米ロシア人「私もロシア人なので責任を感じていますし、いま起きていることに深い悲しみを感じています。ウクライナ人の友人がたくさんいて、仲が良かったので、このような事態になり打ちのめされています。これは終わらせなければならない。ただ、どうしたらいいのか…すみません、感情的になってしまいました。ウクライナを100%支持します。早く戦争が終わってほしいです」
国連によると、ロシアの侵攻によるウクライナでの民間人の死者は7000人以上に上っている。