×

米・オバマ大統領、「予算教書」議会に提出

2012年2月14日 8:49

 アメリカ・オバマ大統領は13日、2013会計年度の予算編成方針を示す「予算教書」を議会に提出した。

 財政赤字は、2012会計年度は1兆3000億ドル(約100兆円)と予想している。これは09年度に続く史上2番目の規模で、4年で財政赤字半減という公約の実現は極めて難しくなった。そのため、オバマ大統領は今回、インフラ投資などの景気刺激策を盛り込む一方で、これまで聖域だった国防費を切り込んだ。国防予算は、前年度の要求より8%削減し、5250億ドル(約40兆円)とした。沖縄海兵隊のグアム移転関連予算は計画の見直しが進んでいることもあり、前年度要求に比べて8割以上減った。

 一方で、オバマ大統領は富裕層に対する増税や石油会社に対する優遇税制の廃止なども盛り込んだ。演説では「責任の共有」を訴えている。しかし、野党・共和党はこうした増税には強く反発していて、「この予算教書は経済を悪化させる」と批判している。

 オバマ大統領も11月の大統領選をにらんで共和党との違いをはっきりさせる戦略にかじを切っていて当面、経済状況そっちのけの与野党のにらみ合いが続きそうだ。