×

アルジェリア政府 人質事件現場を初公開

2013年2月1日 14:02
アルジェリア政府 人質事件現場を初公開

 アルジェリアのガス関連施設で日本人10人を含む多数の外国人が死亡した人質事件で、アルジェリア政府は先月31日、事件後初めて、現場となった施設を公開した。

 この施設はアルジェリア南部・イナメナス空港から約15キロの位置にあり、現場は現在も厳戒態勢が敷かれている。人質の多くが監禁されていた居住区では、建物に真新しい穴が開いていた。居住区ではアルジェリア軍と武装グループの戦闘も行われ、居住区から続く道路の脇には、武装グループが人質を乗せて逃走を図った際に空爆で破壊されたとみられる車両が放置されていた。

 武装グループが最後まで立てこもっていたというガス処理施設では、武装グループが爆破を試みたため、一部のプラントに焦げたような跡が残っていた。

 しかし、多くの従業員たちが現場に戻り、凄惨(せいさん)な事件の痕跡は消し去られつつあるように見える。取材に応じた従業員たちは「軍の警備で安全になった」と口をそろえた。事業再開に向けてアピールしたいアルジェリア政府の思惑が色濃くにじんだ現場公開となった。