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エルバラダイ氏を副大統領に指名 エジプト

2013年7月10日 8:30

 軍によるクーデターでモルシ政権が崩壊したエジプトで9日、暫定政権の副大統領にIAEA(=国際原子力機関)の前事務局長、エルバラダイ氏が指名された。

 国営テレビによると、マンスール暫定大統領は9日、暫定政権の首相にエコノミストのビブラウイ元財務相を指名、そして、エルバラダイ氏を副大統領に指名した。軍のクーデターに国際的な批判が相次ぐなか、ノーベル平和賞も受賞して知名度の高いエルバラダイ氏の起用で、イメージの回復を図る狙いがありそうだ。

 騒然とした状況が続くなか、エジプトでは10日からイスラム教の断食月(ラマダン)に入る。地元の市場は普段よりも買い物客が多く、断食月に使うランタンなどを買っていく人も見られた。イスラム教徒にとっては、ともに断食に臨むことで一体感が強まる時期だが、国を二分する対立が続くなか、今回は一層特別な意味を持つ。

 買い物客の女性「断食月はイスラム教徒であるエジプト人にとって幸せな期間だから、衝突もおさまると思うわ」

 しかし、モルシ氏の大統領解任に抗議するデモ隊は、断食月の間も抗議行動を続行する方針。市民の不安が高まるなか、事態収拾の糸口を見つけることができるのか、暫定政権は待ったなしの対応を迫られることになる。