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どうなる「リバランス」~米外交~

2014年1月3日 20:14

 安全保障、経済など外交政策の重心をアジアに移していく「リバランス」を掲げているアメリカのオバマ政権。しかし、2013年秋に予定されていたオバマ大統領のアジア歴訪は、国内での政府閉鎖問題への対応を優先し、取りやめとなった。

 他方、2013年のアメリカ外交では、イランの核問題やシリアの化学兵器問題への対応、中東和平への取り組みなどで積極的な動きが目立った。日本の外交関係者からは、「アメリカ外交の関心は、アジアより中東に重きが置かれている」との懸念も上がっている。

 こうした中、2014年4月には、オバマ大統領はアジアを訪問する。ライス大統領補佐官はこれに関連して、「リバランスは外交政策の基軸だ」と改めて強調、アジアを「重要な地域」と位置づけて「アメリカの取り組みを引き続き強化していく」と表明した。日米外交関係者は「アジアリバランスの再確認」が大統領訪日の主なテーマとなるとみている。しかし、台頭する中国に対するアメリカの外交方針には「まだ定まりがない」という見方がある。

 また、アメリカにとっては経済面での同盟強化という意味合いもあるTPP(=環太平洋経済連携協定)の合意は結局、2014年にもつれこみ、議会でも慎重論がくすぶっている。

 安全保障の面でも経済の面でも、与党・民主党が下院での多数を確保していない「ねじれ」の中で、大きな課題を一気呵成(いっきかせい)に動かしがたい状況だ。

 オバマ政権が標榜(ひょうぼう)するリバランス=アジア重視の成果は、まだ出ておらず、2014年はそれがどこまで具体化するかが焦点だ。