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調査団が足止め~マレーシア運輸相

2014年7月21日 19:38

 ウクライナ東部でのマレーシア機の墜落で、ウクライナ入りしたマレーシアの運輸相は怒りをあらわにした。ウクライナ・ドネツク州の墜落現場から小島康裕記者が報告。

 翼の一部とみられる長さ約10メートルの残骸や遺体が、現場一帯10キロにわたって散乱している。大きなクレーンが残骸を少し持ち上げ、下に遺体が隠れていないか最終確認を行う様子も見られた。

 調査に当たるOSCE(=ヨーロッパ安全保障協力機構)は、現場で常に武装した親ロシア派に囲まれている。親ロシア派は「OSCEの警護をしている」と話すが、これまでに嫌がらせをした経緯もあり、自由な調査は難しそうな状況。

 当局は、これまでに251体の遺体を運び出したと発表した。このうち192体については、冷蔵設備を整えた列車に保存されているが、この地域の鉄道も親ロシア派が掌握している。親ロシア派は「遺体がそろって、専門家のチェックが終わるまでは列車を出発させない」と話しており、家族がいつ対面できるかは全く不透明。

 44人が犠牲となったマレーシアのリオウ運輸相は、ウクライナ入りしたものの、調査団が首都・キエフで足止め状態になっているとして怒りをあらわにした。

 リオウ運輸相「現場は、調査団が自由にアクセスでき、手つかずであるべきだ。約束通り、墜落現場に早く安全に行けるよう求めている」

 マレーシアの調査団133人は、ほとんどがキエフのホテルから動くことができない状態だという。

 現場一帯は親ロシア派の支配が続いているため、ウクライナ政府は安全の保証ができないとしていて、軒並み各国の調査団も現地入りできていない。

 国連安全保障理事会では日本時間22日未明、事故現場へ全面的な立ち入りを認めるよう要求する決議案が採決される予定。真相究明に向けて調査が進むのか、国際的な圧力が強まっている。