10か月ぶり日韓外相会談も“溝”埋まらず
ASEAN(=東南アジア諸国連合)の外相会議の拡大会合に出席するためミャンマーを訪れている岸田外相は、日本時間9日夜、韓国の尹炳世外相と会談した。日韓外相会談が開かれるのは10か月ぶり。一方、今回の会合の焦点・南シナ海問題については中国と関係国の間で対立が続いている。
今回の会合の焦点は、ASEAN加盟国の一部と中国が領有権を争う南シナ海問題。9日の中国とASEANの会議では共同声明を取りまとめる予定だったが、中国と対立するフィリピンとベトナムが時期尚早だと反発し、結局、見送られた。10日のASEAN地域フォーラムでは、アメリカのケリー国務長官が中国を念頭に緊張緩和の動きを促す方針で、中国側の出方が注目される。
一連の会議には日本から岸田外相も出席している。精力的に各国外相との会談を行い、9日夜には10か月ぶりに韓国の尹炳世外相との会談が実現した。冒頭、岸田外相は「良好な日韓関係は相互の利益」と関係改善に向けた協力を呼びかけたが、尹外相は歴史認識問題で厳しい日本批判を繰り広げた。
尹外相「河野談話の検証などで両国関係は大きく傷ついた」
会談では、今後も様々なレベルで意思疎通を行うことで一致したということだが、首脳会談開催の見通しについて岸田外相は「様々な意思疎通を図りながら高い政治レベルでの対話につなげていきたい」と述べるにとどまった。
結局、日韓外相会談で双方の溝は埋まらず、進展はなかった。日本は10日、北朝鮮との接触を目指し、模索を続けている。