南シナ海問題 ASEAN「深刻な懸念」
マレーシアで開かれていたASEAN(=東南アジア諸国連合)の首脳会議は28日、議長声明を発表し閉幕した。中国が、東南アジアの一部の国と領有権を争っている南シナ海の島で、次々に埋め立て工事を進めている問題について、「深刻な懸念を共有する」と表明した。
ASEANの首脳会議では、中国が南シナ海の島で埋め立て工事を急ピッチで進め、実効支配を強めていることが議題となった。28日に発表された議長声明では、南シナ海での埋め立て工事が信頼関係を損ない、平和と安全を弱体化させると複数の国が表明したとして、「深刻な懸念を共有する」と表明した。
中国と領有権を争うフィリピンなどの意向が反映された格好だが、「中国」の国名の名指しは避け、関係各国が武力行使などの行動を自制するよう促している。
ASEAN各国とも中国と経済的なつながりが強く、南シナ海問題への対応の難しさが浮き彫りとなった形。