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南沙諸島埋め立て フィリピンが深刻な懸念

2015年6月18日 0:38

 中国は16日、南シナ海の南沙諸島で進めている岩礁の埋め立てを「近く完了する」と明らかにした。これに対し、即時中止を求めてきたアメリカと、中国と南沙諸島の領有権を争うフィリピンは、中国が埋め立て地の軍事利用を計画していることに懸念を示した。

 中国外務省・陸慷報道官「(南沙諸島での埋め立て)工事は、間もなく終わる見込みだ」

 中国外務省の報道官は16日、このように述べ、南沙諸島での岩礁の埋め立てを「近く完了する」と明らかにした。その上で、今後は、軍事目的や航行の安全などのための施設の建設に入ると述べた。

 これに対し埋め立ての即時中止を求めてきたアメリカは16日、国防総省が「中国が埋め立てを止めるなら、歓迎する」と述べた。一方で国務省は埋め立て地の軍事施設化に改めて懸念を示し、「中国によるこうした計画は緊張緩和や事態の外交的・平和的解決に寄与しない」としている。

 また、中国と南沙諸島の領有権を争うフィリピンは17日午後に声明を発表、埋め立てと施設建設の計画に改めて深刻な懸念を示した。

 アメリカと中国は来週、安全保障や経済について閣僚級の協議を行う予定で、中国側としては埋め立てを終える姿勢をまず示すことで、対立がこれ以上高まるのを避ける狙いもあるものとみられる。