南沙諸島埋め立て 米国「軍事利用に懸念」
中国は16日、南シナ海の南沙諸島で進めている岩礁の埋め立てを「近く完了する」と明らかにした。これに対し、即時中止を求めてきたアメリカは、中国が埋め立て地の軍事利用を計画していることに懸念を示した。
中国外務省の報道官は16日、南沙諸島での岩礁の埋め立てを「近く完了する」と明らかにした。その上で、今後は軍事目的や航行の安全などのための施設の建設に入ると述べた。
これに対し、埋め立ての即時中止を求めてきたアメリカは16日、国防総省が「中国が埋め立てを止めるなら歓迎する」と述べた。一方で国務省は埋め立て地の軍事施設化に改めて懸念を示し、「中国によるこうした計画は緊張緩和や事態の外交的・平和的解決に寄与しない」としている。
アメリカと中国は来週、安全保障や経済について閣僚級の協議を行う予定で、中国側としては埋め立てを終える姿勢をまず示すことで、対立がこれ以上高まるのを避ける狙いもあるものとみられる。