×

イラク 各勢力参加の新政権発足

2014年9月9日 14:23

 イスラム過激派の勢力拡大で混乱が続くイラクで8日、新政権が発足した。しかし、内相や国防相の指名は先送りされた。

 イラクでは先月、マリキ前首相が退陣し、イスラム過激派組織「イスラム国」に対抗する挙国一致内閣の樹立が急務となっていた。こうした中、イラクの議会は8日、アバディ首相率いる新内閣を承認、慣例通り、シーア派、スンニ派、クルド人の各勢力を取り込んだ新政権が発足した。

 外相にはシーア派のジャファリ元首相が、副大統領にはマリキ前首相が起用されている。一方で「イスラム国」に対抗するため重要な役割を担う、内相と国防相の指名は先送りされた。

 アバディ首相は「1週間以内に決める」としているが、依然として各勢力の意見がまとまらず、調整が難航しているものとみられ、新政権は課題を残した中での船出となった。

 一方、アメリカのケリー国務長官は8日、イラクの新政権発足について「大きな一里塚だ」と歓迎の意向を示した。そのうえで「イラクの指導者は同じビジョンと目的意識を持って国を統治していく時だ」として、挙国一致の態勢で政権運営にあたるよう求めた。