【米大統領選】バイデン氏に“差し替え論”なぜ 専門家「オバマ元大統領の妻しかいない」も……実際は トランプ氏に追い風?
アメリカ大統領選で、民主党のバイデン大統領に対する“差し替え論”が浮上しています。初のテレビ討論会でバイデン氏は、精彩を欠く場面が目立ちました。党大会を8月に控えタイムリミットが迫る中、交代はあり得るのでしょうか? 専門家に聞きました。
藤井貴彦キャスター
「今年の秋(11月5日投開票)に迫ったアメリカ大統領選に、異変とも言える事態が起きています。ここにきて、現職の民主党候補のバイデン大統領に“差し替え論”が浮上しているといいます。何が起きているのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「きっかけは、今回の大統領選挙で初めてのテレビ討論会でした」
バイデン大統領
「コロナで…失礼…我々がやるべきこと…医療保険制度を打ち負かした」
小栗委員長
「現在81歳のバイデン大統領。言い間違えをした他、声はかすれ、精彩を欠く場面が目立ちました。この討論会でどちらが勝ったのか。世論調査では、トランプ前大統領(78)の67%に対してバイデン氏は33%と惨敗でした」
「さらに翌日には、ニューヨーク・タイムズがバイデン氏に選挙戦からの撤退を求める社説を掲載するなど、差し替え論が出ています」
藤井キャスター
「討論会のバイデン氏を見て、どう感じましたか?」
水野美紀さん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「討論会に向けて民主党の皆さんはいろいろ準備をしてきたと思いますが、当日までバイデン氏がこうなってしまうことには気付けなかったのかなと、不思議に思ってしまいます」
藤井キャスター
「一説には風邪を引いていた。そんな情報も入っていますが…。とはいえ、今から差し替えることはできるのでしょうか?」
小栗委員長
「本当に時間は限られています。民主党は8月7日までにオンラインで立候補者を正式に決め、19日から民主党大会を迎えることにしています。1か月ほどしかありません」
「ここから考えられるシナリオは、大きく分けて3つです。①バイデン氏のまま選挙戦を強行する、②バイデン氏が撤退を表明して後継者を指名する、③バイデン氏が撤退し、立候補者の中から党大会で投票で決める」
藤井キャスター
「後継者の候補はいるのでしょうか?」
小栗委員長
「有力な候補としては、現在バイデン政権で副大統領を務めているカマラ・ハリスさんがいます。ただ、全米での支持率が低いことが課題です」
「アメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授は『今から替えるなら、オバマ元大統領の妻のミシェル・オバマ氏しかいない。ただ本人にやる気はないし、夫も説得する気はない』と言います」
「さらに小谷教授が2日朝に入手したという最新情報では、バイデン氏はやめない。いまだトランプ氏に勝てて民主党内で一致できるのは、バイデン氏のみだということです」
「ただ、民主党としてはこのまま8月の党大会までこの混乱を続けたくないため、7月中に特別な手続きでバイデン氏の正式な指名を前倒しするという異例の動きが出てきているとのことです」
藤井キャスター
「この民主党内の混乱を、トランプ氏は『しめしめ』と思っているのでしょうか?」
小栗委員長
「それが、そうとも言えないようです。小谷教授は『本当にトランプ氏でいいのか、ということになれば中間層に不安の声はまだまだ根強い。選挙戦は分からない』と指摘します」
水野さん
「この数日は為替にも影響が出ていましたし、アメリカの選挙の行方は私たちの生活にも影響するので、決して他人事ではないと思います。どちらの候補が勝ったとしても少し不安が残りますし、スッキリしないと言いますか、消極的選択だなと思いました」
藤井キャスター
「アメリカ国内だけではなく、日本や世界にも影響を与えるだけに注目していきたいところです」
(7月2日『news zero』より)