「爆買い」から「爆入学」へ 中国の春節、旅先“1番人気”の日本で何を?
28日から始まる中国の「春節」の大型連休を前に、すでに多くの人が日本に来ています。デパートやドラッグストアなどでの「爆買い」のイメージもありますが、今年はその旅先に変化が出ています。「爆買い」に代わる「爆入学」とは、何でしょうか。
中国・北京では、空港も駅も、どこもかしこも大混雑。まだ出発前なのに、疲れて地面に寝そべる子どもや、口をあけて寝る人の姿が見られました。
ぎゅうぎゅう詰めの列車では、乗客と警察の“ひともんちゃく”も。
乗客
「席がないのにチケットをこんなに売るなんて」
警察
「春節ですから、皆さん譲り合ってください」
渋滞で車が全く動かない道路では…
「獅子舞のチームなので車から降りて踊りました。渋滞だとみんなイライラするので」
また、渋滞する道路の端っこでダンスを披露する人の姿もありました。これもストレス発散でしょうか。
中国の旧正月「春節」の大型連休が28日からスタートします。“過去最大”となるのべ90億人が国内外を大移動する予測となっています。今年、一番人気だという旅行先が日本です。
中国の旅行会社
「やっぱりね、日本が一番人気です」
欧米やアジアのほかの国をおさえ、日本がトップだといいます。北京の空港で話を聞くと…
「日本のカレーが大好き。北海道のスープカレーが食べたい」
「温泉に入ってスキーをしたい」
温泉とスキーを楽しめる群馬・草津町。スキー場を訪ねると…
記者
「スキーウエアではなく、普通の格好で雪山をバックに写真撮影会を開催しています」
スキーを全くせずに普段着ですごす観光客の姿がありました。
「春節休み」で台湾から観光にきた人
「景色を楽しみたい。雪の景色を楽しみに来ました」
「スキーはしません。私たちはこれからコーヒーを飲みにいきます」
春節休みの中国の友達とスキー場へ来たという人は、雪でクマを作っていました。スキーをする友達を待つ間、暇つぶしでクマ作りを始めたといいます。
観光地にとって、春節の大型連休は大事な稼ぎ時です。
草津観光公社・経営企画課 安齊克仁さん
「中国人のスタッフを増やして、対応しています。時給に関しても年々、値上げをしています」
人手不足をいかに克服するかが大事になっていました。
そして、今年人気だという意外なスポットがあります。
中国の旅行会社
「海外の教育を視察します。東京大学、早稲田、慶応」
名門大学の視察ツアーです。27日、日本最高峰の東京大学に行ってみると、中国からの団体客がいました。しかも、団体客がバスに戻ると、またすぐに中国からの団体客のバスがすれ違いでやってくるほどです。受験するのか、お祈りしている子どももいました。
中国・四川省から来た小学6年生の母
「娘は小学校6年生で成績がとてもいいです。東京大学は中国の大学よりいいと思います。このような事前準備が必要だと思います」
東大のホームページによると、去年11月の時点で東大に通う外国人留学生5231人のうち、7割近い3545人が中国人です。
東大を目指す7歳
「東京大学に自由な雰囲気を感じました」
中国の旅行会社によりますと、質のよい日本の教育環境を求める“爆買い”ならぬ“爆入学”がトレンドになっているといいます。子どもにインタビューをしている最中にも、教育ママぶりを発揮します。
中国・四川省から来た小学6年生の母
「東大出身の首相は何人?」
小学6年生
「…」
母
「16人でしょ」
中国経済が低迷する中、単なる観光ではない実用的な旅も増えているようです。