ロシアからの人道支援物資を積んだトラックの車列が１３日、ウクライナ東部に越境した。車列はその後ロシア側に戻っているが、ウクライナ側は「許可を得ておらず違法」と非難している。

　インタファクス通信によると、ロシアからの人道支援物資を積んだトラック約２００台が１３日、ロシア南部の検問所から国境を越えてウクライナ東部に入り、親ロシア派が支配するルガンスクに到着した。ウクライナ東部への人道支援物資の提供は、ウクライナ政府と親ロシア派が署名した停戦合意に盛り込まれている。しかし、ウクライナ国家安全保障会議は「ウクライナ政府の許可を得ておらず違法」と批判、赤十字国際委員会も同行していないという。

　ウクライナや国際社会は、ロシアがウクライナの許可を得ずに車列を越境させることを日常化し、人道支援物資の提供を名目に、親ロシア派へ軍事物資を補給することを懸念しており、今後、新たな火種になる恐れがある。

　ロシアメディアは、ロシアからの人道支援物資は食料や飲料水など約２０００トンで、トラックはルガンスクで荷物を下ろし、再び国境を越えて１３日中にロシア側へ戻ったと伝えている。