【世界初】謎に包まれたマンボウの生態に迫る 心電図を測る機器取りつけ海へ
20日、かごしま水族館のイルカ水路で飼育されていたマンボウが海に放流されました。生態が謎に包まれているマンボウ。健康状態を知るため、世界で初めて、心電図をはかる機器を取り付け追跡調査を行います。マンボウの輸送作戦に密着しました。
20日朝、かごしま水族館のイルカ水路では、ダイバーがある魚を探していました。
(ダイバー)
「とったよー!」
(間世田桜子キャスター)
「ダイバーによってマンボウが捕獲されました」
ことし3月、内之浦漁港の定置網にかかった後保護され、イルカ水路で展示されていたマンボウです。海水温が20度を超え始め、マンボウが弱ってしまうことから海へ帰すことになりました。
かごしま水族館では毎年、定置網にかかったマンボウを飼育。2018年から長崎大学と共同でマンボウの生態調査を行っていて、今回で6回目です。
生態がよくわかっていないマンボウ。これまでの共同研究で、浅いところでクラゲを食べたり、体温が上がったときには海底近くまで潜って体を冷やしていることなどがわかりました。
今回は健康状態について知るため心電図計を取り付け追跡調査を行います。世界初の試みです。
トラックの水槽に移され、磯海水浴場に向けて出発です!
背中に約250グラムの機器を取りつけ…
(間世田桜子キャスター)
「これから海に放流されます」
マンボウは、勢いよくヒレを振りながら、元気よく泳いでいきました。
(かごしま水族館魚類展示係 吉田明彦 主幹)
「今回のマンボウはエサを食べなくて、食べさせるのに苦労したぶん感慨深いものがある。来年も皆さんにマンボウの姿を見てもらえたら」
(長崎大学 環東シナ海環境資源研究センター中村 乙水 准教授)
「野外で心電図が測れたらそれだけですごい意義があるデータになるので、まずはデータをちゃんと取得・計測できているか、そればかりは回収してみないとわからない。世界で初めてのデータがとれるんじゃないかということで期待している」
機器は4日後の金曜日朝5時に切り離され浮き上がってくる仕組みで、位置情報を特定して回収に向かうということです。