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【解説】尹大統領の聴取続く…供述を拒否 “48時間”攻防の行方は?

2025年1月15日 19:26
【解説】尹大統領の聴取続く…供述を拒否 “48時間”攻防の行方は?

韓国の尹錫悦大統領による非常戒厳をめぐり、合同捜査本部は尹大統領の身柄を拘束しました。韓国で現役の大統領が拘束されるのは初めてです。今後、逮捕の可能性はあるのでしょうか? 見通しについて、尹大統領の取り調べが進められる高官犯罪捜査庁から、横田明記者が伝えます。

尹大統領は録画ができる取調室で、弁護士の立ち会いのもと本格的な事情聴取を受けています。今回の令状で大統領を拘束できるのは48時間で、捜査本部としては17日(金)までに次のステップとなる大統領の逮捕状の請求に踏み切るかを判断する見通しです。

捜査本部は、逮捕状を請求する意向があると報じられていて、大統領の聴取には経験が豊富なベテランの検事があたり、200ページを超える質問書が用意されています。ただ、尹大統領はこれまでの聴取に供述を拒否するなど、徹底抗戦の構えです。

──48時間拘束できるということで、16日も聴取が行われる可能性がありますが、尹大統領は15日の取り調べが終わると、どうなるのでしょうか。

尹大統領に対する取り調べは特別な条件がなければ、深夜までは続けられないことから、身柄は一旦、ソウル拘置所に移されるものとみられます。韓国メディアは、尹大統領は独房で過ごすことになるとの見方を伝えています。

──尹大統領は捜査以外に弾劾審判も抱えていたと思いますが、それはどうなっていくのでしょうか。

16日が実は2回目の弁論期日ですが、尹大統領が出席できるかは不透明です。憲法裁判所で進められる弾劾審判について、尹大統領側は適切なタイミングで出廷する意向を示していました。いまのところ捜査本部は、16日の弁論について、本人の出席を認めるかを、立場を明らかにしていません。

韓国の法律では、2回以上、当事者が欠席をした場合は、不在のまま手続きを進めて良いことになっています。尹大統領はすでに14日に行われた弁論も欠席していて、16日も出席できなかった場合も、大統領不在のまま予定通り、弁論が進められることになります。

こうした状況を見据えてか、大統領は「戒厳は犯罪ではなく国家危機を克服するための大統領の権限行使だ」とする主張をSNSに展開し、世論に働きかける姿勢を示しています。

(1月15日午後5時ごろ放送『news every.』より)

最終更新日:2025年1月15日 19:26