ゼレンスキー大統領、ロシアとの戦争終結に向けた「勝利計画」を初公表
ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、ロシアとの戦争終結に向けた「勝利計画」を初めて公表しました。NATO=北大西洋条約機構への加盟交渉に即時招待することなどを求めています。
ロイター通信などによりますと、ゼレンスキー大統領は16日、ウクライナの議会で演説し、ロシアとの戦争終結に向けた5項目の「勝利計画」について、初めて明らかにしました。
1点目としてNATO加盟交渉への即時招待を要求しました。2点目には、ロシア西部のクルスク州で越境攻撃を展開する中、欧米から供与された長距離兵器をロシア領内で使うための許可を改めて求めました。
そのほか、ロシアに対する抑止力の強化、各国との経済協力、戦後の安全保障の枠組みなどを挙げていて、一部の内容は機密事項として公表しませんでした。
ゼレンスキー氏は演説で、「この計画が支持されれば遅くとも来年には戦争を終結できる」と訴えました。
しかし、先月以降、アメリカのバイデン大統領ら欧米各国の首脳に勝利計画を直接説明したものの、支持は広がっていないとみられ、これまでの要望の焼き直しにすぎないとの見方も出ています。
こうした中、NATO加盟国のスロバキアの首相は17日に始まるEU=ヨーロッパ連合の首脳会議を前に、「ウクライナのNATO加盟へ向けた招待の話が突然持ち上がっている」「戦争が近く終結する可能性が高い」と述べました。
ウクライナは2022年9月に加盟を申請し、今年7月のNATOの首脳宣言では、「加盟への不可逆的な道」を歩むウクライナを支援すると明記されました。
しかし、タイミングについては、「加盟国が同意し条件が整えば要請する」との表現にとどまっています。
欧米メディアは、ウクライナがNATO加盟と引き換えにロシアの占領地を放棄して停戦する案が検討されているとも伝えています。