ロシア、“北方領土”開発計画を正式決定
ロシア政府は24日、2016年からの10年間で北方領土を含む千島列島を開発する発展計画を正式決定したと発表した。社会基盤を整備することで北方領土の実効支配を強める狙いがあるとみられる。
ロシア政府が24日に発表した「クリール諸島社会経済発展計画」は、2016年から25年に北方領土を含む千島列島を開発するもの。予算規模は684億ルーブル(約1400億円)で、15年までの現在の計画を引き継ぐ形で交通や社会施設などを整備する。
北方領土の択捉島には今年、新たな空港や埠頭(ふとう)が完成している。今回発表された計画には島の名前は明記されていないが、国後島や色丹島でもインフラ整備が加速する可能性がある。
来年のプーチン大統領の日本訪問を含め、日本とロシア両政府が平和条約締結に向けた交渉を続ける中、ロシアは、北方領土を自国の領土として社会基盤の整備を進めることで実効支配を強める狙いがあるとみられる。