“北方領土”住民と交流 女子高生の思いは
ロシアと日本の間には、北方領土という未解決の問題が横たわっている。戦前は1万7000人以上の日本人が暮らしていたが、戦後70年間はロシアが実効支配を続けている。その北方領土に暮らす住民と交流を続ける、ある女子高校生の思いを取材した。
北海道・札幌市内の高校に通う佐藤沙也加さん(17)。弁論部に所属している。佐藤さんは1年前、弁論大会への出場がきっかけで北方領土に関心を持った。
佐藤さん「最初は、本当に島の名前しか知らない状態だったので、今住んでいるのも、ロシア人の方々が住んでいるということで、最初は本当に怖いなって思いがありましたね」
北方領土は戦後、ロシアが実効支配しており、日本人が自由に訪問することはできない。佐藤さんは勉強を重ねるにつれて、実際に行ってみたいという気持ちが高まり、2014年5月、いわゆる「ビザなし交流」で北方領土の一つ、国後島を訪問。それ以来、島で暮らすロシア人の女子高校生との交流を続けている。毎日、SNSを使って何気ない会話をしているという。
しかし、北方領土をめぐる日露間の交渉は現在、膠着(こうちゃく)している。プーチン大統領は先月、対話の準備があるとする一方で、日本側を非難した。
プーチン大統領「日本側のせいで、その対話は中断している」
岸田外相「日本側が(対話を)止めているという事実は全くありません」
佐藤さんと交流を続けているというロシア人の女子高校生に会いに行った。アリーナ・メリニコバさん(16)。領土問題のせいで自由に会えないという現実に歯がゆさを感じている。
アリーナさん「今は彼女に会えなくてとても寂しいです。会いたい」
アリーナさんは、北方領土がどちらにも属さない土地になればいいと語る。
アリーナさん「日本人とロシア人が一緒に住めたら素晴らしいと思います。日本のものでもロシアのものでもない、中立の土地となればいいと思います」
佐藤さんも、交流を深めてお互いを理解することが解決のきっかけになると強く感じている。
佐藤さん「日本の子供たちと、ロシアや北方領土に住んでいる現島民の子供たちが交流をすることで、相互理解を深めることで、絶対にまた解決の一歩になると思っています」
若い世代同士の交流が実を結ぶ日は来るのだろうか。