戦況が悪化すれば「到底対応できない」モルドバで医療支援する日本人医師の懸念
UNHCR(=国連難民高等弁務官事務所)によると、ウクライナから国外に避難した人は410万人以上に。モルドバにある避難所では、避難者への医療支援にあたる日本人医師がいます。モルドバでは、すでに人口の1割を超える約39万人の避難者を受け入れており、この先、懸念されるのが…。
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ドイツ・ベルリンにある教会で行われていたのは、フードバンクによる、食料支援です。
ウクライナからの避難者(先月30日)
「ベルリンでは、私たち家族は大丈夫です。暖かい場所とお湯がありますから」
食料を求める人たちの列が、教会の外まで伸びていました。
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モルドバ・キシナウの避難所では、ピースウィンズ・ジャパンの稲葉基高医師が活動しています。先月31日、稲葉医師は「私は外科医ですが、治療が必要な人いますか?」などと、避難している人たちの医療ニーズを聞き取っていました。
稲葉医師
「高齢者は多いですか?」
スペインの医療チーム
「ほとんどがそうです」
ピースウィンズ・ジャパン 稲葉基高医師
「(避難者は)ものすごく顔に疲れが出ているなと、多くの方が集団生活をして、しかも、慣れない環境でずっと過ごすことで、腰が痛い・体のあちこちが痛いとかそういうこともある。長くその生活が続くことで、精神的ダメージや不安がずっと続く」
人口の1割を超える約39万人の避難者を受け入れているモルドバ。この先、懸念されるのが──
ピースウィンズ・ジャパン 稲葉基高医師
「戦況が悪くなると、モルドバ内にまた大量の避難民がいらっしゃる。そうなると今の体制では到底対応することはできない。そういう時には、我々も、もっと多くの医療人材を投入して対応することを考えなければ」
(『news zero』より)