「いつまでサポートできるのか」ウクライナ避難者受け入れ“限界”も…日本からできることは
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻開始から3週間。国境を越えて避難する人の姿は後を絶ちません。ポーランドで避難者を支援する東優悟さんは「多くの団体が支援を続けられないくらい(資金が)ひっ迫した状況になってくる」と訴えます。
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UNHCR(=国連難民高等弁務官事務所)によると、ウクライナから国外への避難者は316万人を超えたといいます(16日時点)。
16日、ポーランド・プシェミシルにウクライナから避難した家族がいました。
避難してきた母親
「お薬のんでね。ちゃんと両手でもって」
母親が女の子に薬を飲ませていました。慣れない暮らしにたまってゆく疲労。今、会いたいのは――
電話越しの父親
「ハロー」
キエフ近郊に残り、街を守る父親です。
避難してきた母親
「防弾チョッキと暗視スコープは届いた?まだきてない?」
電話越しの父親
「ないね。まだないよ」
電話越しの父の声に、男の子の目には涙があふれていました。
避難してきた母親
「泣かないで、少しずつ慣れるよ。落ち着いたら学校に行って、新しい友達ができるから、楽しいこともきっとあるよ」
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軍事侵攻開始から3週間がたちますが、国境を越えて避難する人の姿は後を絶ちません。ポーランド・メディカ周辺では受け入れも限界に達しつつありました。
ウクライナ国境に最も近いポーランド・メディカの避難所の中に入ると、大勢の避難者がいました。
メディカの行政長官
「この避難所の定員は245人だが、600人の避難者が来る日もあります」
受け入れ先が見つからず、1週間以上とどまる人もいるといいます。
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ポーランドで、避難者を支援する日本人がいます。
――今どんな支援をしている?
避難者を支援する東優悟さん
「今はウクライナ人の避難民の家族を2家族受け入れていて、基本的には部屋の提供と衣食住を」
自宅で6人の難民を無償で受け入れています。きっかけは婚約者の一言でした。
婚約者・マルタさん
「戦争から逃げている、せめて一組の家族のため。せめて一人の命だけでも救いたいという思いでした」
駅でも食べ物や毛布、子供たちにおもちゃなどを差し入れ、寄付を募る口座も開設しました。
しかし…。
――ウクライナの方を受け入れる側が、今必要なことは?
避難者を支援する東優悟さん
「ロシア侵攻が長期化していく中で、私たちはいつまでウクライナ人をサポートできるのか。多くの団体が支援を続けられないくらい(資金が)ひっ迫した状況になってくる」
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ウクライナの南・モルドバでも日本の団体が避難所に物資を届けるなど支援にあたっています。
避難所を支援する松澤礼奈さん
「(避難した人が)暖かいベッドで爆撃等の心配がなく、眠ることができる。そういったことが幸せだと」
日本からでもできることは――
避難所を支援する松澤礼奈さん
「現金による援助が、最も効果的になってきます。物資をウクライナ国内・隣国で調達して、迅速に支援を届けることが可能です」
(3月17日放送『news zero』より)