ウクライナ避難民“増加”「子どもの問題が一番…」 隣国で支援続ける日本人が語ることは
ロシアの軍事侵攻開始から2週間で、230万人以上がウクライナから国外に避難したといいます。9日も、厳しい寒さが続くポーランドでは雪が降る中、次々と避難してくる人の姿がありました。こうした中、隣国で避難民の支援を続ける日本人に話を聞きました。
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国連難民高等弁務官事務所(=UNHCR)によると、軍事侵攻開始から2週間で、ウクライナから国外に避難した人は230万人以上だということです。
ウクライナからポーランドに避難した女性は、「子どもがいなかったら、軍を助けるためにウクライナにいたと思う。子どもは町に爆弾が落ちる音なんて聞くべきではないと思うので、ここに来ました。(キエフにいる)夫にまた会えるかどうかは、分かりません…」と涙声で語りました。
9日、日中でも気温が氷点下となるなど厳しい寒さが続くポーランド・メディカでは、雪が降る中、次々と避難してくる人の姿がありました。
避難してきた女性
「寒い中、子どもと移動するのは大変です。できるだけ、暖かくしてあげています」
過酷な環境下での避難を強いられ、凍傷や低体温症になる子どもや高齢者が増えています。命を落とした子どももいるということで、国境を越えてすぐの場所では、新たに医療用のテントを設置して対応に当たっていました。
避難者は日に日に増え続け、ポーランドとの国境周辺にあるほぼ全ての避難所が満員になっているといいます。
避難所に来て4日目 ウクライナからの避難者
「これから先どうしていいか 分からなくて不安です。ポーランドに残りたいけど、仕事や住むところがありません」
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ポーランドの首都ワルシャワにも近いツェレスティヌフ郡にある24時間態勢で避難者を受け入れている施設では7日、日本人の坂本龍太朗さんが映像を撮影していました。
坂本さん
「ちょうど今、難民のみなさんいらっしゃいました。だいたい30人ぐらい来ましたかね。みなさん本当に荷物が少ないですね」
ポーランドで日本語学校を経営している坂本さんは、避難民の支援を続けています。
ポーランドで避難者支援 坂本龍太朗さん
「夜は、70人くらいの難民の方々が過ごしている。スタッフとしては、受け入れ担当の方、または物を整理する方々含めて、5人くらいが常に働いている。マンパワー的にはとても厳しい状況が続いている」
「ウクライナのどこから避難してきたか」が書き込まれた地図を見せてくれました。当初は西部が多かったものの、最近は、激戦が続く東部や南部から避難する人が増えてきているといいます。
必要な支援物資を集め、子どもたちの遊ぶスペースも作ったといいます。
ただ、今、一番必要なものについて、坂本さんは「子どもの問題が一番ありまして、(子どもたちは)外に出たがらない。お父さんは今こちらにいないので、お母さんから離れることに大きな恐怖を持っている。心のケアが大切です」と語りました。
(3月10日放送『news zero』より)