ギリシャの債務問題をめぐり、チプラス首相がＥＵ（＝ヨーロッパ連合）の議会で演説を行い、「ギリシャ経済やヨーロッパ全体が行き詰まっている責任は、緊縮政策にある」と主張した。

　チプラス首相の演説は、日本時間の８日夕方、ＥＵの国会にあたる「ヨーロッパ議会」で行われた。

　ギリシャ・チプラス首相「ギリシャ国民の勇敢な決断は『ヨーロッパとの対立』ではなく、『ヨーロッパの基本的価値観』に戻るためのものです」

　また、チプラス首相は、国民投票でＥＵ側の財政再建案に反対する民意が示されたことを受け、「ギリシャ国民は私に公平で持続可能な解決策を見つけるよう託した」と述べた。また、「ギリシャ経済やヨーロッパ全体が行き詰まっている責任は、過去５年間の緊縮政策にある」と主張した。

　一方で、「これまでのギリシャ政府が、何年にもわたって汚職や癒着を続けたことが金融危機の原因だ」とも述べていて、今後、富裕層に対して税などの負担を求めていく考えを示した。

　ギリシャは今月２０日に巨額の国債の償還期限を控えていて、１２日に開かれるＥＵ首脳会議までにＥＵ側が納得する提案を行えるかが焦点。