「地獄のようです」日本好きの息子がハマス公開の人質動画に… 迫る“地上侵攻“ 人質解放は?
イスラエル軍による空爆でパレスチナ自治区・ガザ地区の死者が増えるなか、人質の解放も大きな焦点となっています。人質になっているとみられる日本が大好きなイスラエル人の男性。父親は悲痛な思いでその解放を望んでいます。
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日本時間26日午後にイスラエル軍が公開した動画には、柵を突破するような様子が映っていました。周囲を柵で覆われたガザ地区に入った瞬間でしょうか。
イスラエル軍は26日、ガザ地区の北部で夜間に「多数のテロ組織やインフラ、対戦車ミサイルの発射基地を攻撃した」と発表しました。イスラエルメディアによると、今回の攻撃はこれまでで最大規模の作戦だということです。
その後、ガザ地区を出たということですが、この作戦は「戦闘の次の段階に備えて」行ったとしています。“次の段階”を示しているとみられるのが、ガザ地区への地上侵攻です。
イスラエル ネタニヤフ首相(25日)
「すでに何千人ものテロリストを排除しているが、これは始まりに過ぎない。同時にガザ地区への地上侵攻も準備している」
ただ、ガザ地区にはハマスが拘束した200人以上の人質がいるとされ、その安全が懸念されています。
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人質の家族は、今何を思うのか。イスラエル人の男性を取材しました。
イランさん
「息子は幼い頃に日本の漫画を読み始めて、気に入ったんです」
イランさんは、22歳の息子・ガイさんと一緒に暮らしていました。
イランさん
「日本の文化が好きで、作品が好きで、『日本にいつか行こう』と話していました」
日本が大好きだという息子のガイさん。
イランさん
「これが彼のノートです。日本語を勉強していました。私には何も読めませんが、あなただったらこれが読めるはずですよね?」
「わたし は がい です」「わたし は いすらえるじん です」
平仮名で書かれた手書きのノート。しかし、日本について学ぶことも、今はできません。
ガイさんが最後に目撃されたのは、ハマスが襲撃し、多くの死傷者を出したあの音楽フェスでした。ガイさんの兄・ガラさんは、ガイさんとともに、音楽フェスに参加していました。
兄・ガラさん
「弟はこうしたフェスに参加したことがなかった。だから、私は弟と一緒に参加して、何も問題ないと確かめたかったのです」
しかし、別行動をとっていたタイミングでハマスが襲撃。それ以降、ガイさんの居場所はわかりません。
兄・ガラさん
「(イスラエルの)軍隊は毎日(情報提供に)来るんです。今日の唯一の情報は、『新しい情報はない』ということでした」
不安が募るなか、目にしたのが…
兄・ガラさん
「これはガイがハマスに拘束された様子の動画です」
汚れた服を着て、おびえるような表情で後ろ手に縛られた男性。ハマスが公開した人質の映像に、ガイさんとみられる姿が映っていたのです。
イランさん
「この動画を見るのは本当に最悪なことでした。地獄のようです」
ガザ地区で人質になっているとみられるガイさん。安否がわからないなか、地上侵攻の準備が進んでいます。
イランさん
「私たちは心から心配しています。地上侵攻が始まったらどうなってしまうかわかりません」
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こうしたなか、新たな動きがありました。
イスラエルメディアは25日、関係者の話として多くの人質を解放するための交渉が進行中だと報じました。それによると、人質の解放は数日以内に実現する可能性もあり、交渉の当局者は「2日か、それよりも早く」に合意することを望んでいるということです。
人質救出と地上侵攻、様々な情報が飛び交うイスラエル。事態収束の糸口はまだ見つかっていません。