ガザ地区 身元確認のため体に“名前“ 子ども2300人超が死亡 イスラエルでは人質解放求める声が…
イスラエル軍が地上侵攻への準備を進めるなか、一連の武力衝突によるガザ地区の子どもの死者が2300人を超えました。現地の子どもたちの体には、死亡した時に身元を確認するための名前が書かれていました。
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空爆がやまないパレスチナ自治区ガザ地区。そこでは、大人や子どもの体に文字が書かれていました。その人の名前です。ガザ地区では今、子を持つ親が、子どもや自分が死んだ時の身元確認のために、体に名前を書いているのです。
アハマド・アブエルサブさん
「明日、死ぬかもしれない。名前がなければ、誰も私だと気づかないかもしれません」
体に書かれた名前は、大切な、生きていた証しになります。
ガザ当局によりますと、ガザ地区の死者は5791人。その半数近い2360人が、子どもだといいます。
娘を殺された父親
「娘を手放したくありません。娘を埋葬するまでできるだけ一緒にいたい」
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イスラエル軍の地上侵攻は行われるのでしょうか。イスラム組織「ハマス」が実効支配するガザ地区から2キロの場所にあるニルアムに向かいました。目の前にガザ地区が見えます。
記者
「いつでも戦闘への準備ができていると。地上侵攻に向けて準備が整っているという状況」
イスラエル軍
「ここにいる誰ひとりとして、パレスチナの人々を憎んでいる者はいない。私たちは皆、同胞への愛に突き動かされているだけだ」
ただ、アメリカの有力政治サイトは24日、イスラエルが人質解放の交渉を進めるために地上侵攻を数日間、遅らせる意向だと報じています。
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ハマスとイスラエル軍の双方の空からの攻撃の応酬は、今も続いています。
24日、その空からガザ地区に落ちてきたのは、多くのビラです。人質の情報提供を求め、イスラエル軍がまいたビラです。そこには、「身の安全を保証するので、人質に関する情報を内密に教えてほしい」というメッセージが書かれていました。
イスラエルの地元メディアによると、イスラエルでは1400人以上が死亡し、多くの人質が捕らえられています。イスラエル軍によると、ガザ地区にいるハマスの人質は、イスラエル人など約220人。生後わずか9か月の赤ちゃんも含まれています。
人質解放を求める声は日に日に強まっています。妻と17歳の娘を人質に取られたという男性は――
妻と娘が人質
「1日のうちで一番つらいのは、実は朝です。朝起きると普段であれば、妻が早起きして家のことをやっている耳慣れた音が聞こえるはず、娘が起きてくるはず。今はそれがありません」
イスラエルとガザ地区の双方で、民間人の命が失われています。