北朝鮮は２０日、韓国にむけた公開書簡を発表し、金正恩委員長が提案した軍事当局者による南北会談に応じるよう求めた。

　公開書簡は、北朝鮮の国防委員会が国営メディアを通じて発表したもの。金委員長は、今月開かれた朝鮮労働党大会での演説で、「南北の軍事当局者間の対話と交渉が必要だ」と述べたが、書簡では、この提案について、「平和のための現実的方策だ」と主張し、韓国側に会談の開催を受け入れるよう求めた。

　書簡では、南北関係の改善に向け、「信頼と対話を目指すことが最善だ」と主張するなど、北朝鮮は党大会以降、韓国に対して融和的な姿勢を打ち出している。

　北朝鮮としては、韓国を対話に引き出すことで、国際社会の足並みを乱すとともに南北関係の緊張を高めているのは韓国の責任だと強調する狙いもあるものとみられる。

　書簡に対し韓国国防省は、「非核化を拒否した状態で、南北会談を提案するのは誠意がない」との立場を発表し、対話には応じない姿勢を改めて示した。