ブラジルの連邦最高裁判所は、弾劾裁判を巡って職務停止となっているルセフ大統領について、１６日までに検察当局に捜査の開始を許可した。

　ロイター通信が地元メディアの情報として伝えたところによると、ブラジル最高裁は検察当局に対し、国営の石油企業を巡る汚職疑惑に関連して、ルセフ大統領とルラ前大統領の捜査開始を許可した。

　ルセフ大統領は、今年３月に汚職事件への関与が疑われているルラ前大統領を官房長官に任命したが、検察当局は、これが訴追逃れが目的の捜査妨害にあたるとみて、最高裁に対し、捜査の許可を求めていた。

　ルセフ大統領は、政府会計の不正処理にかかわった疑いで弾劾裁判を受けることも決まっていて、現在、オリンピックの期間中にもかかわらず職務停止となっている。

　今回、新たに捜査が許可されたことで、ルセフ大統領への圧力は一層強まることになる。