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難民人権問題で活動 G・クルーニーさん妻

2016年10月7日 14:10
難民人権問題で活動 G・クルーニーさん妻

 先月、ニューヨークで開かれた国連総会の最大のテーマは「移民・難民の問題」だった。難民の人権問題を解決するため、俳優ジョージ・クルーニーさんの妻アマルさんが活動をしている。

 先月の国連総会で開かれたアメリカ・オバマ大統領主催の会議。テーマは「難民・移民問題」だった。

 オバマ大統領「(難民危機は)最も緊急の課題です。一丸となって行動を起こせるか試されている」

 同じ国連の中の別の部屋に、ある女性の姿があった。アマル・クルーニーさん(38)。ジョージ・クルーニーさんの妻で、弁護士でもある。この日、出席していたのは「難民の人権問題」に関する会議。アマルさんは、ある事を強く訴えていた。

 アマルさん「彼らは正義を求めています。国際法廷で『イスラム国』による虐待に立ち向かうべきです」

 アマルさんが訴えたのは、過激派組織「イスラム国」による虐待や強姦、人身売買などの人権問題。国際司法裁判所で裁きを受けるべきだと訴えた。

 アマルさんを動かしたのは、クルド系の少数派・ヤジディ教徒のナディア・ムラドさん(23)との出会いだった。ナディアさんは2014年、イラク北部で「イスラム国」に拘束された後、人身売買などをされたが、奇跡的に脱出に成功した。

 ナディアさんは今回の国連総会で、人権被害の撲滅を訴える「国連親善大使」に就任した。アマルさんはナディアさんのような被害者を一人でも救いたいと思いを強くし、活動をしている。

 2人は先月、内戦が続くシリアなどから逃れてきた人が暮らすギリシャの難民キャンプを訪れた。アマルさんは難民の女性の声に真剣な表情で耳を傾け、女性も泣きながら現状を訴えていた。こうした現実に直接触れ、アマルさんは活動を続けているという。

 アマルさん「ナディアが言ったんです。『何人かの男に意識がなくなるまで強姦され、たばこを体に押しつけられました。人類で最もひどい仕打ちを受けているんです』。彼女が教えてくれたんです。この現実から逃げてはいけないと」

 アマルさんは「イスラム国」の非人道的な行為を世の中に伝える事が「イスラム国」撲滅につながると考えているという。

 しかし、行動を起こせばリスクも伴う。

 アマルさん「夫とも話しました。何か行動をしなくてはと思ったんです。もちろん何らかの危険が伴う事は覚悟の上です」

 「イスラム国」による残虐行為がやまない現実。アマルさんは国連の場で、解決に向けて厳しい言葉で訴えた。

 アマルさん「女性として、ナディアのような少女が戦場で体を売られる現実を恥ずかしく思います。一人の人間として、彼女たちの助けを求める声を無視し続けている事を恥ずかしく思います」

 「イスラム国」による被害者を、これ以上出さないための取り組みが続く。