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ウクライナ東部・ドネツクの空港で“空爆”

2014年5月26日 23:50

 25日に大統領選挙が行われたばかりのウクライナで26日、親ロシア派武装集団が押し入った東部・ドネツクの空港で、暫定政権が大規模な強制排除を始めている。首都・キエフから山内康次記者が中継する。

 次期大統領としての勝利が確実となったポロシェンコ氏のもとで、和平へ動きはじめると期待が高まっていた中で、東部で新たな戦闘が始まった。

 ウクライナ暫定政権の発表によると、選挙翌日の26日、東部・ドネツクの空港に親ロシア派の武装勢力が押し入った。これに対し、暫定政権側は建物を明け渡すよう求めたが、武装集団側はこれに応じず、軍用機からの空爆などに踏み切ったという。この攻撃による死者やケガ人の情報はない。

 この軍事作戦は、暫定政権によるものだが、これより前に会見したポロシェンコ氏は、東部での対テロ作戦について「効果的、短期的に行わなければならない」と述べていて、限定的な作戦を容認する姿勢を示している。

 ポロシェンコ氏は勝利宣言で親ロシア派との対話の姿勢を示していたが、ウクライナとロシアの関係はますます混沌(こんとん)としている。ロシアのラブロフ外相は選挙後、ウクライナ国民の意思を尊重するとして新大統領との直接対話に応じる姿勢を示した一方、ウクライナ側が軍事作戦を行えば「最大の過ちになる」と警告していた。しかし、ウクライナ軍はその後、軍事作戦に乗り出した。

 新ロシア派に多くの犠牲者が出るような事態となれば、ロシアが態度を硬化させる可能性は高く、再び緊張が高まる恐れもある。