日産 SUVの次期モデル、英国の工場で
日産自動車は、27日、イギリスの工場で、スポーツ用多目的車(=SUV)の次期モデルを製造すると発表した。
イギリスでEU(=ヨーロッパ連合)からの離脱決定後、自動車産業での投資が決まったのは初めて。
日産自動車は、イギリス中部にあるサンダーランドの工場で、イギリス国内では最大となる年間50万台近くの車を製造し、多くをEU向けに輸出している。イギリスがEUから離脱した後には、EU域内への輸出に関税がかかる可能性があるが、日産自動車は、27日、SUVの「エクストレイル」などの次期モデルを、サンダーランドの工場で生産すると発表した。
イギリス政府が、工場の競争力維持への支援を確約したことから今回の決定に至ったということで、今後、さらにこの工場への投資を増やすとしている。
具体的な支援の内容は明らかになっていないが、EU離脱決定後、イギリス国内の自動車産業で投資が決まったのは初めてで、メイ首相は、「今後も自動車産業の支援を約束する」とコメントしている。
一方、イギリスの統計局は27日、EU離脱決定後の数値となる今年7月から9月までのGDP(=国内総生産)の速報値を発表し、前の3か月から0.5%のプラスとなった。国民投票の前に、イギリスの財務省などは「EU離脱が決定した場合、マイナス成長になる」と警告していたが、イギリス経済の堅調ぶりを示した形。
ただ、今月上旬にはメイ首相がEUの市場に残ることよりも移民の流入を制限することを重視するのではとの見方が広がったことから、31年ぶりのポンド安を記録していて、経済の先行きは不透明感が広がっている。