オバマ大統領 TPPの先行きに危機感示す
APEC(=アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議に出席していたアメリカのオバマ大統領は20日、記者会見を行い、TPP(=環太平洋経済連携協定)の先行きに危機感を示した。
オバマ大統領にとって最後の国際会議。本来であれば、このAPECの場で、肝煎り政策であるTPPを自らの最後の成果として世界に印象づけたいところだった。しかし、トランプ次期大統領がTPPからの離脱を示唆し、実現が風前の灯火(ともしび)とも言える状況にオバマ大統領は危機感を示したが、その言葉に力はなかった。
「TPPを進めなければアジア太平洋地域でのアメリカの立場と関心と価値観を反映させる方法で貿易ルールを作れなくなる」
もはや為す術のないオバマ大統領は、トランプ氏の考えが変わることに期待感を示した。
「選挙中の発言が法案と外交政策と一致するとは限らない。時に修正することもあるだろう」
記者会見ではトランプ氏に関する質問が相次いだ。オバマ大統領にとって、有終の美となるはずだった最後の外遊。しかし、世界の関心がトランプ氏に移ったことが際立つという苦いものとなった。