停戦交渉めぐり米・ウクライナの溝が浮き彫りに
ウクライナでの戦闘終結にむけた動きが活発化するなか、アメリカとウクライナの間の溝が浮き彫りになっています。キーウから中継です。
こちらキーウの人々に話を聞きますと、戦争の終結は望むが、トランプ大統領には不信感を募らせているという印象です。
人々からは「私たちは被害者をさしおいて侵略した側の条件で交渉することは受け入れられない」「裏切り行為だ」という強い言葉も聞きました。
この3年近い間、多くの犠牲を強いられたなかでアメリカとロシアが決めた停戦の条件をウクライナに押しつけるのはありえないというのが本音だと思われます。
ゼレンスキー大統領もウクライナ抜きの合意はあり得ないと公然と反発していて、支援の見返りに鉱物資源の権益を共有する契約にもサインしませんでした。
ゼレンスキー大統領としては今後、停戦交渉で蚊帳の外に置かれたヨーロッパを後ろ盾にして交渉を進めたい考えです。
ゼレンスキー大統領はロシアがことしの夏に、軍事演習と称して、ベラルーシに軍隊を派遣する計画があると明かしました。これは、ウクライナ侵攻の前と同じやり方でヨーロッパへの攻撃の前兆かもしれないなどとヨーロッパにむけて警鐘をならしています。
そのヨーロッパの国々は、停戦交渉の場に「ヨーロッパの席はない」とトランプ政権側が発言した事に不快感をあらわにしています。
首脳らは17日にパリで緊急会合を開いて今後の対応を話し合う予定です。ウクライナ支援でこれまで足並みをそろえてきた欧米諸国ですが、ここにきて溝が浮き彫りとなっています。