中国の高校 親が感染対策規定違反…子が除籍処分に
厳しい「ゼロコロナ政策」を続ける中国の高校で、親が感染対策の規定に違反したとして、その子どもである生徒が除籍処分にされました。これに批判の声が広がると、地元の市長が一転、「除籍処分はない」と否定しました。
黒竜江省の綏化市当局が出した通達によりますと、今月11日、高校一年生の生徒の親がほかの地域から市内に戻ってきたことを学校に報告せずに生徒を通学させていました。
その後、親が濃厚接触者だと分かり、生徒のクラスメートや教員などが隔離措置を受けることになったということです。
これを受け、地元当局は、親が報告を怠ったことが「重大な結果」を招いたとして、その生徒の学籍を除名することを決定しました。
地元当局は国内で広がる感染状況を踏まえ、生徒やその家族がほかの地域から戻った際は学校に報告するよう求めています。
ただ、今回の決定に対し、中国のSNSでは、「親が違反したのに子どもが罰を受けるのか?」「おかしい。学籍がないと大学受験もできない」などと批判の声が噴出しています。
これに対し、地元の市長は中国メディアに「通達には法的効力がなく、除籍処分はない」と釈明しました。
厳しすぎる感染対策に国民の不満がくすぶる中で早期に火消しを図ったとみられ、ゼロコロナ政策をめぐり各地で混乱が続いています。