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“南北関係改善の意志見せた”と韓国は評価

2018年2月12日 12:23

韓国を訪問していた金正恩委員長の妹・金与正氏ら北朝鮮の政府代表団は11日夜、平壌に戻った。韓国政府は、今回の訪問を北朝鮮が南北関係改善の意志を見せたものと評価している。ソウルから藤田賢治記者が伝える。

訪問を韓国側は評価しているが、一方で核を巡る立場の差を埋められていないことも認めていて、対話基調を非核化につなげる転機とできるかが課題。

平壌に戻った金与正氏に続き、芸術団・三池淵管弦楽団も北朝鮮に戻るため、12日朝、ソウルのホテルを出発した。11日夜に行われた楽団のソウル公演では、与正氏と文在寅大統領が観覧する中、楽団の玄松月団長が南北の統一を願う歌を歌い、またアイドルグループ・少女時代のメンバー・ソヒョンさんも登場した。共演に難色を示した楽団を韓国側が説得したもので、融和ムードが演出された。

12日付の朝鮮労働党の機関紙・労働新聞も公演を伝えるなど、北朝鮮側も訪韓を成功と位置づけている。

韓国統一省「北朝鮮の最高指導者の直系家族の訪問は、北朝鮮の南北関係改善の意志が強いことを示している」

韓国政府は訪問を評価したが、文大統領と与正氏の会談で、文大統領は肝心の核問題について全く言及していない。野党は、「核の廃棄が前提とならないいかなる会談も北朝鮮の時間稼ぎを許すものだ」と批判。韓国政府が今の対話の基調を非核化に結びつけられるかが今後の課題となる。