OECD 保護主義が世界経済のリスクに
OECD(=経済協力開発機構)は、世界経済の見通しについて、拡大傾向が続く一方、保護貿易主義が成長を脅かすリスクになるとの見方を発表した。
OECDは30日からパリの本部で閣僚理事会を開き、2日間にわたってさまざまな国際問題について議論を行う予定。
今後2年間の世界経済の見通しについてOECDは、財政緩和などにより経済の拡大が続き、主要先進国の失業率は1980年以来の低水準になると予測する一方、保護主義が成長を脅かすリスクの1つになっていると指摘。貿易制限が実施されれば、投資や雇用に悪影響を及ぼしかねない、との見方を明らかにした。
アメリカによる輸入制限措置などを念頭にしているとみられ、議長国であるフランスのマクロン大統領は基調講演で、「孤立した繁栄や閉鎖的な保護主義は問題だ」などとしたうえで、1つの課題に多数の国家で取り組む多国間主義の重要性などを加盟国に訴えた。
閣僚理事会では、このほか、鉄鋼の過剰生産問題や国際的なIT企業に対する公正な課税のあり方などが議論され、31日に閣僚声明が採択される。