【時系列でわかる】イスラエル軍「数日以内にガザで重要作戦」ハマスとの武力衝突 死者2700人超(11日まで)
10月7日、中東パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」が、イスラエルに向けてロケット弾などによる激しい攻撃を開始。イスラエル側も反撃し、武力衝突が激化しています。
13日現在、死者は2700人超。イスラエル軍は「数日以内にガザで重要な作戦を行う」とした上で、ガザの住民は直ちに退避するよう警告しました。地上侵攻が始まるとみられます。
武力衝突をめぐる動きを、時系列でまとめます。
12日以降の動き▶イスラエル軍が近くガザに地上侵攻か
■10月7日 「ハマス」がロケット弾による大規模攻撃 イスラエル「戦争状態」
ロイター通信によりますと7日、中東パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」が、ロケット弾を発射したほかハマスの戦闘員がイスラエルに侵入しました。イスラエルの各都市で少なくとも22人が死亡したということです。
攻撃を受けイスラエルのネタニヤフ首相は「戦争状態にある」と述べた上で大規模な報復を宣言しました。すでにイスラエル軍がガザ地区に空爆を行ったということです。
イスラエルとパレスチナを巡っては、おととし5月にも激しい衝突が起き、ロケット弾や空爆の応酬によりパレスチナ側だけで200人以上が死亡しました。
イスラエルは7日、報復の空爆を行いました。一連の応酬による死者は300人近くにのぼっています。
ロイター通信がパレスチナ自治区保健当局の発表として伝えたところによりますと、イスラエル軍が7日ガザ地区を空爆し198人が死亡したということです。この日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」が、戦闘員をイスラエルに侵入させたほか、ロケット弾による大規模な攻撃を仕掛け、イスラエルで100人以上が死亡していました。空爆はこの攻撃に対する報復として行われたものです。
イスラエルのネタニヤフ首相は「パレスチナ側は前例のない代償を払うことになる」と宣言していました。
イスラエルとパレスチナを巡っては、おととし5月にもロケット弾や空爆の応酬が10日間ほど続きパレスチナ側だけで200人以上が死亡しています。
アメリカのバイデン大統領は7日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行いました。
両政府の発表によりますとバイデン大統領は「アメリカはイスラエルの自衛権を全面的に支持する」と述べ、イスラエル政府と国民に対しあらゆる支援を行う考えを強調しました。
ネタニヤフ首相は支援に感謝を述べた上で、イスラエルが勝利するため長期的に強力な軍事行動が必要だと伝えました。
バイデン大統領は声明で「テロは決して正当化されるものではない」と「ハマス」を非難しました。その上で「アメリカは、イスラエルに敵対するいかなる勢力に対しても、この状況で優位に立とうとしないよう警告する。バイデン政権のイスラエルの安全保障に対する支援は揺るがない」と強調しました。
国連のグテーレス事務総長は7日、中東パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織「ハマス」によるイスラエルへの攻撃について、「最も強い言葉で非難する」との声明を報道官を通して発表しました。
事務総長は、「民間人への被害を深く憂慮し最大限の自制を促す」とした上で、外交努力による解決を求めました。
一方、国連安全保障理事会は、8日に非公開の緊急会合を開き対応を協議する予定です。
アメリカのバイデン大統領は7日、ネタニヤフ首相と電話会談後に演説し「アメリカはイスラエルを支持する。我々は引き続きイスラエルが自衛できるよう支援をする」と述べました。さらに「テロは決して正当化されない」とハマスを非難した上で、「イスラエルの安全保障に対する我々の支援は強固で揺らぐことはない」と強調しました。
ロイター通信などによりますと7日、パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」が2000発以上のロケット弾を発射したほか、ハマスの戦闘員がイスラエルの住宅地に侵入し、激しい攻撃が行われました。ロケット弾だけでなく、戦闘員がイスラエル側に侵入するのはきわめて異例のことです。
現地の映像には多くの民間人の遺体が横たわる様子などが映っていて、地元メディアは少なくとも250人が死亡したと伝えています。
また、数十名のイスラエル兵や市民が連れ去られているということです。
攻撃を受け、イスラエルのネタニヤフ首相は「戦争状態にある」と述べて大規模な報復を宣言し、イスラエル軍がガザ地区を空爆しました。ガザ地区の保健当局はこれまでに230人以上が死亡したと発表。
一連の応酬で500人近い犠牲が出ており、事態の悪化が懸念されています。
イスラエル北部と国境を接するレバノン側から8日、イスラエルが実効支配する地域に砲撃がありました。レバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」が犯行声明を出し、パレスチナの人々との「連帯」を示すために砲撃を行ったと主張しました。
ロイター通信などによりますと、イスラエル北部と国境を接するレバノン側から8日早朝、イスラエルが実効支配するゴラン高原のシェバア農場地区に砲撃がありました。レバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」が犯行声明を出し、パレスチナの人々への「連帯」として、シェバア農場にあるイスラエル軍の3つの拠点にロケット弾などを発射したと主張しました。
これに対し、イスラエルはレバノン南部に砲撃を行いました。
■10月8日 パレスチナ保健当局「少なくとも313人死亡」
パレスチナ側の保健当局は8日、ガザ地区で少なくとも313人が死亡し、ヨルダン川西岸でもイスラエル軍の攻撃で7人が死亡したと発表していて、事態の悪化が懸念されています。
ロイター通信は「今回のイスラエルへの攻撃はここ数十年で最大の規模で、アメリカが支援する地域の安全保障の連携を築く取り組みを台無しにする可能性がある」と報じています。
イスラエル政府の発表によりますと、8日もイスラエル南部などに攻撃があり、これまでに600人以上が死亡、2000人以上がケガをしたほか、100人以上の兵士や市民が連れ去られたということです。
イスラエル軍は、報復の攻撃を続けていて、8日もガザ地区のハマス側の拠点などを空爆しました。また地上でも、侵入したハマス側の武装集団との戦闘が続いています。
パレスチナ側の保健当局は8日、ガザ地区で少なくとも370人が死亡し、約2200人がケガをしたと発表していて、双方の死者数は、900人以上にのぼっています。
イスラエル側はイギリスやドイツなどの首相と電話会談し、支持を取り付けていますが、イランのライシ大統領は「パレスチナの正当な防衛を支持する」と声明を出すなど、イスラエルとパレスチナをめぐり各国の対立が激化する懸念も出ています。
■10月8日 米バイデン大統領「追加の軍事支援」
アメリカのバイデン大統領は8日、イスラエル側に追加の軍事支援がすでに向かっていることを伝えました。弾薬など最初の支援が数日中に到着する予定です。また、アメリカ軍は空母「ジェラルド・フォード」や駆逐艦などをイスラエルに近い地中海の東に移動させるとともに戦闘機部隊も増強すると発表しました。
国連の安全保障理事会では8日、非公開の緊急会合が開かれました。会合に先立ち、イスラエルの国連大使は「我々が目撃しているのは戦争犯罪だ。民間人を虐殺し、人質を虐待し、赤ん坊を母親から奪っていく、露骨で野蛮な戦争犯罪である」と述べました。その上で「ハマスは大量虐殺を行うテロ組織だ」と強く非難しました。
イスラエル南部のアシュケロンでは8日もガザからの攻撃が続きました。ハマス側は、100発以上のロケット弾をアシュケロンに撃ち込んだとしています。
今回のハマスによる一連の大規模攻撃でイスラエル側では、これまでに700人以上が死亡し2000人以上が負傷したとしています。ガザの境界付近で、7日に行われていた音楽祭では多数の若者が犠牲になり260人の遺体が見つかったということです。
また、ハマスの戦闘員はイスラエルから兵士に加え、女性や子どもなどの民間人も拘束し連れ去っています。ハマス側は、100人以上を人質にとっているとしています。
また、外国人も犠牲になっていてアメリカ・ホワイトハウスは8日、複数のアメリカ人が死亡したと明らかにしました。
一方、ハマスを無力化するとして報復攻撃を行っているイスラエルはガザにあるハマスの拠点などへの空爆を続けています。空爆により多数の民間人が犠牲になっていて、パレスチナ側の保健当局は、子ども78人を含む413人が死亡し、約2300人がケガをしたとしています。
双方の攻撃による死者は、1100人以上にのぼっています。
地元メディアはイスラエル軍の報道官がガザ地区に接しているすべての地域の支配権を取り戻した、と報じています。
イスラエル軍はハマスとの大規模戦闘に向け、過去最高となる30万人の予備役を招集したことを明らかにしていて、地上部隊がガザに侵攻するかどうかが焦点となっています。
イスラエルはガザにあるハマスの拠点などへの空爆や、ハマスの戦闘員の掃討作戦を続けています。ハマス側も断続的にイスラエルにロケット弾を打ち込んでいて、イスラエル側は、これまでに約700人が死亡したとしています。
一方、パレスチナ側の保健当局は、これまでに493人が死亡したとしていて、双方の死者は約1200人にのぼっています。
ロシアのラブロフ外相は9日、モスクワを訪れたアラブ連盟のアブルゲイト事務局長と会談し、双方の立場を確認しました。
その後の記者会見でラブロフ外相は、パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルの武力衝突について「アラブ連盟とロシアは即時停止を求めている」「何百人ものイスラエル人とパレスチナ人が命を落としたことを深く憂慮している」「我々はあらゆる敵対行為の停止を断固として支持するよう全ての人に呼びかける」などと述べました。
その一方で、アメリカのバイデン大統領がイスラエル支援を明確にしていることについて、「欧米も敵対行為の停止を求めると期待しているが、彼らの立場には重大な疑問がある」と批判しました。
そして、この問題の解決策は「イスラエルとパレスチナという2つの国家が共存することである」と指摘しました。
ロイター通信によりますと、ハマスは9日「イスラエルが警告なしに民家を空爆するたびにイスラエル人の人質が処刑されることになる」という声明を出したということです。
イスラエルのメディアは、ハマスと別の武装組織が約130人を人質にとり、なかには軍の高官もいると主張していると伝えています。
また、ロイター通信はパレスチナ自治政府の通信社を引用し、パレスチナが「ガザで進行中のイスラエルの攻撃」を阻止するため、国連に介入を要請したと報じています。
国連のグテーレス事務総長は、ハマスによる攻撃を非難する一方、イスラエルがガザ地区の包囲を命じたことについて懸念を示しました。グテーレス事務総長は「イスラエルがガザ地区を完全に包囲するという本日の発表を受け、深く心を痛めている」などと述べました。さらに国際社会に対しガザ地区への早急な人道支援を求めました。
アメリカのバイデン大統領は9日、声明を発表し、ハマスによるイスラエルへの攻撃で少なくとも11人のアメリカ人が死亡したと明らかにした上で、ハマスに拘束されている人質の中にアメリカ人が含まれている可能性が高いとして救出に向けイスラエルと協力していく方針を示しました。「アメリカ国民はあらゆる形のテロに反対する揺るぎない決意を世界に示し続けていく」と強調しています。
また、ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は9日、アメリカ軍を現地に派遣する計画はないと明言しました。その上で空母「ジェラルド・フォード」の地中海の東側への派遣はアメリカの国益を守るというメッセージだと強調しました。
また、ハマスによるイスラエル攻撃計画にイランが直接関与した具体的な証拠は得ていないと述べました。今回のハマスの攻撃がイスラエルとサウジアラビアの関係正常化に向けた取り組みに「ブレーキをかけたというのは早計だ」としています。
国防総省高官は空母の派遣について「イランやレバノンのヒズボラなどへの抑止のシグナルだ」として「紛争をエスカレートさせようとする敵は再考すべきだ」と述べました。
また、ハマスによるイスラエル攻撃は過激派組織「イスラム国」に匹敵する残虐さだと非難しイスラエルの防空システム支援や弾薬供給を強化していると述べました。
■10月9日 米英仏独伊5か国が共同声明
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの5か国は共同で声明を出し、イスラエルに対する「揺るぎない結束した支持」を表明しました。中東地域の平和のために同盟国としてイスラエルと共に行動していくと強調しています。
9日になって、アメリカ人11人、アルゼンチン人7人、フランス人2人が死亡したことなどが明らかになっています。
■10月9日 イスラエル国防相 ガザ完全封鎖を命令
イスラエルのガラント国防相はガザへの電気、食料、燃料を遮断し、完全封鎖するよう命じました。ロイター通信はイスラエル軍がハマスが使用している民間通信会社を爆破するなどインフラ施設への攻撃も行っていると伝えています。
イスラエル軍は30万人という異例の規模の予備役を招集すると発表していてガザへの地上侵攻を視野に入れた動きの可能性があるとの見方もでています。
ハマスが7日におこなった大規模攻撃への報復として、イスラエルはガザにあるハマスの拠点などへの空爆や、ハマスの戦闘員の掃討作戦を続けています。ハマス側も断続的にイスラエルにロケット弾を打ち込んでいて、イスラエルメディアは約900人が死亡したと伝えています。
一方、パレスチナ側の保健当局はこれまでに687人が死亡したとしていて、双方の死者は1600人近くにのぼっています。
■10月10日 アラブ連盟が緊急外相会合へ
アラブ連盟は緊急の外相会合を11日に開くと発表しました。ロイター通信によりますと、会合はパレスチナ側が要請したもので、イスラエル軍の攻撃を止めるための方策を協議するということです。
アラブ連盟に加盟しているのは21か国とパレスチナ解放機構で、エジプトの首都カイロにあるアラブ連盟の本部でおこなわれるということです。
日本政府は、イスラム組織「ハマス」とイスラエルの武力衝突に関連し、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置しました。
松野官房長官は10日午前の会見で、パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」とイスラエルの武力衝突に関連し、「現地の情勢を深刻な懸念を持って注視している」と述べました。また「罪のない一般市民に対する攻撃や誘拐はどのような理由であれ正当化し得ず、日本としてこれを強く非難する」と強調しました。
そのうえで「これまでのところ、在留邦人の生命、身体に被害が及んでいるとの情報には接していない」と述べました。一方、現地邦人の避難については「現時点でイスラエルの空港は閉鎖しておらず、引き続き商用便は運航されていると承知している」と述べました。また「ガザ地区には少数の邦人が滞在していると承知しているが、いずれの邦人とも連絡がついており、現時点で生命、身体に被害があったとの報告は受けていない」と述べました。
外務省は10日、中東・パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」とイスラエルによる武力衝突が激化していることを受け、ハマスが実効支配するガザ地区と、その境界周辺の危険情報を、最も高いレベル4「退避勧告」に引き上げたと発表しました。
外務省は、「どのような目的であれ渡航は止めてください。また、すでに滞在している人は安全を確保した上で直ちに退避してください」と呼びかけています。
地元メディアは10日、イスラエル軍の報道官が、「ガザ地区周辺のイスラエル領内で、約1500人のハマス戦闘員の遺体を発見した」と述べたと伝えました。
これまで、パレスチナ側の保健当局は、ガザで少なくとも770人が死亡したとする一方、イスラエル側の死者も約900人にのぼっていて、ハマス戦闘員の遺体発見を受け、今後さらに死者数が増える可能性が高まっています。
イスラエル軍は10日、ハマス戦闘員などが侵入したガザ地区周辺について完全に制圧したと発表しました。境界に沿って戦車なども配備していて、地上侵攻を視野にいれた動きとの見方も出ています。
パレスチナ側の保健当局は、ガザで900人が死亡したとする一方、イスラエル側の死者も1000人以上にのぼっていて、遺体発見を受け、さらに死者数が増える可能性が高まっています。
アメリカのバイデン大統領は10日演説し、「これはまさに悪の所業だ。1000人以上の市民がイスラエルで虐殺された。ただ殺されたのではなく虐殺されたのだ」とハマスを強く非難しました。さらに、イスラエルには「攻撃に対抗する権利と義務がある」と述べ、必要な支援を行う姿勢を改めて強調しました。そして、ハマスの攻撃で少なくともアメリカ人14人が死亡し、ハマスに拘束されている人質の中にアメリカ人が含まれていると明らかにしました。
ホワイトハウスによりますと現在、20人以上のアメリカ人が行方不明で、このうち何人が人質となっているかは把握できていないということです。
また、国務省はブリンケン国務長官が追加の軍事支援などについて協議するため12日にイスラエルを訪問すると発表しました。
さらに、アメリカ軍は空母「ジェラルド・フォード」が東地中海に到着したと明らかにしています。
ロシアのプーチン大統領は10日、中東情勢について、「パレスチナの主権国家創設の問題を解決すべきだ」と述べました。さらにプーチン大統領は、イスラエル支援を打ち出しているバイデン大統領について、「中東におけるアメリカの政策の失敗例で、パレスチナ人の利益を考慮していない」と厳しく批判しました。
EU=ヨーロッパ連合は10日、オンラインで緊急の外相会議を開きました。会見でボレル上級代表は、イスラエルが、ガザへの電気や水などを遮断する完全封鎖を発表したことなどについて、「自国を防衛する権利はあるが、いくつかの決定は国際法に違反している」と非難しました。
また、イスラム組織「ハマス」とパレスチナ自治政府は異なるとし、自治政府への支援は続けるべきだと強調しました。
イスラエル軍は10日、最も被害が大きかった集落を報道陣に公開しました。公開されたのは、虐殺が行われたとするクファール・アザのキブツ=生活共同体で、いたるところに遺体がそのまま残されています。
イスラエルメディアによりますと、キブツでは少なくとも100人以上の住民が殺害され、このうち約40人が乳児や幼児だったということです。目撃した兵士の話として「頭を切り落とされた赤ちゃんもいた」などと伝えています。
今回の武力衝突で、これまでにガザで900人、イスラエル側で1200人以上が死亡しています。ガザ周辺のイスラエル領内では10日、約1500人のハマス戦闘員の遺体が発見されていて、さらに死者数が増える可能性が高まっています。
■10月10日 EUがイーロン・マスク氏に要請文 偽情報拡散で
パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」とイスラエルによる戦闘に関連し、旧ツイッターの「X」で偽情報が拡散しているとして、EU(=ヨーロッパ連合)は、Xのオーナーのイーロン・マスク氏に対し、緊急措置を取ることを求める要請文を送りました。
旧ツイッターの「X」では、パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」が、イスラエルへの大規模攻撃を開始した後、今回の攻撃とは関係ない、戦闘員によるヘリコプターの撃墜や空爆の動画などが相次いで投稿されています。
■10月10日 イスラエル国防相「ガザへの総攻撃に移行しつつある」
地元メディアなどによりますと、イスラエルのガラント国防相は10日、「ガザ地区に対する“総攻撃”に移行しつつある」と述べました。
ガラント国防相は「空から攻撃を開始したが、今後、地上での攻撃も行う。2日目以降、一帯を支配下においているが、攻撃をさらに強めていく」と述べたうえで「ガザは決して元の姿には戻らないだろう」などと警告しています。
これまで、ガザ地区で1055人、イスラエル側で1200人以上が死亡していますが、地上侵攻に踏みきった場合、市民などの被害がさらに拡大する恐れがあります。
こうした中、国連人道問題調整事務所は10日、ガザ地区で、家を破壊されるなどして学校や教会などに避難している人が、少なくとも26万人に上っていることを明らかにしました。
■10月11日 ガザ唯一の発電所が停止
イスラエルがガザへの電気や食料の供給を遮断するとしているなか、パレスチナのメディアは11日、ガザ唯一の発電所が燃料切れで停止したと伝えました。
国連のグテーレス事務総長は11日、事態の悪化を避けるよう全ての当事者に呼びかけました。
グテーレス事務総長は「全ての当事者と当事者に影響力を持つ人々に対し、これ以上のエスカレートと波及を避けるように訴えます」と述べたうえで、ガザ地区で拘束されているイスラエル人の人質の解放や、ガザへの人道支援の必要性を訴えました。また、パレスチナの国連大使は、「ガザ地区への人道的支援を行うためには停戦が必要だ」と述べました。
一方、ブリンケン国務長官は、ガザ地区の人道回廊の設置について、イスラエルとエジプトと協議を行っていると述べました。12日にイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相らと会談する予定です。また、ホワイトハウスはこれまでにアメリカ人22人が死亡、17人が行方不明としています。
複数のアメリカメディアは、イスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃に、イランの指導者らが不意を突かれたという情報をアメリカ政府が入手したと報じました。
複数のアメリカメディアは11日、アメリカの情報機関が、イランの指導者らがハマスによるイスラエル攻撃に驚いていたことを示す情報を入手したと報じました。この情報があることで、バイデン政権は、イランが攻撃に直接、関与したかについて、明確な結論に至っていないとしています。
こうした中、バイデン大統領は11日、ユダヤ教指導部との会談で、イスラエル近くの地中海に空母を派遣したことに触れ、「イランに対し、『気をつけろ』とのメッセージを明確に示した」などと述べ、イランを牽制しました。長年、ハマスを支援してきたイランに対し、今回のハマスの攻撃を利用して軍事行動を起こさないよう警告した形です。
(12日以降に続きます)