死んだクジラの胃からビニール袋40キロ
フィリピンで海岸に打ち上げられたクジラの胃から、40キロものビニール袋が発見された。海洋汚染による生物への被害が深刻化している。
ロイター通信などによると、フィリピン・ミンダナオ島の海岸で16日、アカボウクジラが衰弱した状態で打ち上げられ、その後、死んだ。海洋生物学者などが死んだクジラの胃を解剖したところ、胃の中には、米用の袋などを含む約40キロものビニール袋が入っていたという。このアカボウクジラは死ぬ直前まで血を吐いていたということで、死因は胃の中にたまったごみによるものとみられている。
フィリピンの海洋生物学者によると、過去10年間で61頭のクジラがフィリピンの海岸に打ち上げられ、うち57頭が漁の用具やプラスチックごみなどが原因で死んだという。
アメリカの海洋保全団体が発表した2015年の報告書によると、世界の海のプラスチックごみによる汚染の約6割がフィリピンや中国、インドネシアなど、経済成長を遂げているアジアの5か国によるものだという。