光州事件から39年…記念式典 抗議活動も
韓国南西部の光州(クァンジュ)市で18日、39年前の民主化運動の記念式典が行われた。会場では保守系の野党代表の出席を阻止しようと激しい抗議活動が行われた。
警察隊と鋭く対峙(たいじ)する学生たち。いわゆる「光州事件」から39周年となるこの日、激しい抗議の声を向けられていたのが保守系野党の黄代表だ。保守系野党の代表がなぜ、これほどの反発を受けているのか。背景には「光州事件」の評価をめぐる対立がある。
1980年5月、光州では民主化を求める市民と軍が衝突。軍が発砲し、民間人だけで160人以上が犠牲となった。当時の軍事政権は「暴動」と位置づけたものの、その後は民主化運動として評価され、左派を支持基盤とする今の文在寅政権は「光州の民主化運動の延長に韓国政府はある」との立場。
一方、こうした動きに保守系野党の議員らは「政治的な思惑によって『暴動』が民主化運動になった」「光州事件の被害者というおかしな怪物集団がつくられ、税金が無駄遣いされている」などと発言。左派を中心とするグループはこの発言に激しく反発している。
黄代表は発言した議員を懲戒する方針を示したものの、先送りにしたまま、18日、光州入り。「抗議の声を理解する」との立場を表明したものの、怒りの火に油を注いだ形となった。
犠牲者の追悼ムードに包まれた18日の光州だが、左派を嫌う右派の団体も集会を開催した。地元メディアは、記念式当日に光州で右派が集会を開くのは初めてだと伝えている。
39年前の出来事をめぐり対立が続く韓国。光州での光景は左右の分断を抱える韓国を象徴しているとも言える。