英・メイ首相が辞意表明 EU離脱が難航
EU(=ヨーロッパ連合)からの離脱の難航を受け、イギリスのメイ首相が24日、辞意を表明した。
日本時間の午後6時すぎから首相官邸前で会見したメイ首相は、6月7日に保守党の党首を辞任し、その後、新しい党首が決まった段階で首相の座からも降りると明らかにした。
会見の終盤、メイ首相は「愛する国のために尽くしてきた」と言いながら涙を浮かべ、無念さをにじませていた。
EU離脱を巡り、メイ首相は6月上旬に4回目の離脱協定案の採決を行うとしていたが、身内である保守党内からの辞任を求める声に耐え切れず、辞意を表明した形。
次の党首選びは6月中旬に始まり、離脱派であるジョンソン前外相や前回の党首選で最後まで争ったレッドソム議員らの名前があがっている。
メイ首相は2016年7月、EUからの離脱を巡る国民投票の結果を受け辞任したキャメロン前首相の後任として首相に就任した。もともとはEU残留派だったが、首相就任後は「国民が選んだことだ」としてEUからの離脱を推進してきた。
しかし、政権基盤を強化するため2017年6月に行った解散・総選挙で逆に議席を失い、以降は求心力が低下していた。
また、離脱交渉では、イギリスの北アイルランドと、アイルランドの国境をどのように管理するかで、党内をひとつにまとめることができず、暗礁に乗り上げていた。