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香港「逃亡犯条例」改正 16日も反対デモ

2019年6月16日 19:40

香港政府は15日、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正審議の延期を発表した。しかし、民主派団体は撤回を求めていて、16日午後もデモを行った。

これまでの警官隊によるゴム弾や催涙ガスの使用に怒る市民も多く、改正案の撤回だけでなく、行政長官の辞任を求める声も大きくなっている。

市内中心部に集合した参加者らは、議会にあたる立法会まで行進した。

香港政府は逃亡犯条例の審議を「延期する」と発表したが、一時的なガス抜きではないかと疑う人も多く、「香港市民はだまされない」「撤回するまで戦う」と声を上げた。

一方、デモの主催者や関係者が罪に問われる可能性にも懸念が高まっている。16日は、12日に警官隊との衝突で逮捕された市民を起訴しないよう訴え、けが人が出たのは、林鄭月娥行政長官の責任だなどと、辞任を求めている。

市民のデモが香港政府を動かした形だが、市民の間に勝利したという高揚感はなく、中国や香港政府に対する不信感や危機感は広がったまま。今後も、デモや集会が継続的に行われるとみられる。