広島・長崎の高校生と謁見 法王の来日は
今年、日本を訪れる意向を示しているローマ法王。そのローマ法王に、広島と長崎の高校生が謁見(えっけん)した。被爆地にも強い関心を寄せるローマ法王。高校生らの訪問呼びかけに、「11月に」という言葉も飛び出した。
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キリスト教、カトリック教徒の総本山、バチカン。19日、そこには日本からやってきた高校生、内山洸士郎さんと松田小春さんの姿が。
長崎・高校生平和大使・内山さん「ついにこの日がやってきたなという感じです」
2人はある特別な思いを抱き、この地にやってきた。高校生平和大使は、署名活動を通じて、核兵器廃絶を世界に訴えてきた。そして今回、平和を願うメッセージをローマ法王フランシスコに直接伝えることになった。
広島・高校生平和大使・松田小春さん「一番の目標は被爆者の方の声を伝えること。高校生一万人署名活動の存在を色んな人に知ってもらいたい」
法王はこれまで被爆地に強い関心を寄せてきた。
ローマ法王「私はこの写真を見て、胸がしめ付けられました」
法王が手にしているのは原爆投下後に撮影された写真。1人の少年が息絶えた弟のなきがらを背に悲しみの表情を浮かべている。
そして、謁見当日。2人はあの少年の写真を携え、謁見に臨んだ。そしてその瞬間がやってきた。
松田さん「こんにちは。広島に来て、被爆者に願いをささげてくださいますか、そして未来の平和に祈りをささげてくださいますか」
内山さん「これからも努力を重ねて、ノー・モア・ヒロシマ アンド ナガサキ(広島と長崎を二度と繰り返さずに)という言葉を発し続けます。お会いすることを楽しみにしています」
松田さん「11月に(お会いしたいです)」
ローマ法王「11月にね。平和に向けて活動を続けなさい。(活動を)続けて、これからも神のご加護がありますように。(原爆の惨禍を)忘れてはいけない。決して忘れないで」
来日をめぐり、法王からは11月という言葉が。
内山さん「自分たちの思ったことは伝えられたかなと思います」
松田さん「今回は、言いたいことは全部言えたので満足しています」
ローマ法王の来日が実現すれば、広島・長崎への訪問も検討されている。