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世界の22億人が安全な飲料水入手できない

2019年6月26日 15:52
世界の22億人が安全な飲料水入手できない

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「22億人 安全な飲み水入手できず」。Degas株式会社の代表・牧浦土雅氏に聞いた。

今月18日、ユニセフ(=国連児童基金)とWHO(=世界保健機関)は共同で水と衛生に関する共同監査プログラムによる最新報告書を発表した。

発表では、世界の22億人が「安全な飲み水を入手できず」、30億人が「手洗い施設がなく」、42億人が「安全なトイレを使えない」暮らしをしているとしている。

ネット上ではこんな意見が見られた。

「日本に住んでいると考えられない」
「募金で井戸はできても、浄水施設はつくられない」
「汚い水でも飲むしかないのは悲しい」


――この話題について牧浦さんにフリップを書いていただきました。

「本当の問題とは?」です。

まず、こういう大きな問題にもかかわらず、あまり取り上げられていません。そんななか取り上げていただき、ありがたく感じています。

この問題というのは、なぜきれいな水を多くの人たちが入手できないのかということを考える必要があると思うんですね。実は、単純にアメリカなどが現地に行き浄水施設をつくっても、現地の人たちがそれを使うかといったら、答えは「NO」なんです。

私は1日、2~3ドル以下で生活している人たちと一緒に仕事をしていますが、彼ら彼女たちというのは、そもそもきれいな水を飲むことが大切だという文化が根付いていないんです。そういう教育を受けてきていないんです。

ですので、WHOさんなどの国際機関は、すごく時間はかかるのですが啓発活動をしっかりやっていってほしいです。それがいずれは、根本的な問題解決につながると考えています。


――まずは草の根活動で、衛生に関する教育をしていかないと、持続可能な未来はないということにつながるんですね。

そうですね。ただ民間からも色々なチャレンジが来ていて、例えば、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツさんと奥さんが一緒にやっている大きな財団があり、彼が「Reinvent the Toilet Challenge」というものをやっています。

これはトイレが原因で多くの人たち、特に子どもたちが亡くなっているという現状があるので、排泄物の処理施設をつくろうというプロジェクトです。これに対してゲイツ財団が数十万ドル規模で支援をしていたりとか、日本でも食品衛生製品を取り扱っているサラヤという企業が、主に東アフリカのウガンダで石けんなどでの手洗いの促進をしています。こういう地道な取り組みが本当に大事だと思います。


――水というのは健康面ではもちろんのこと、貧困に終止符が打たれたりとか、不平等による格差を埋めたりとかにつながりますよね。そう思うと本当に大事な部分ですよね。

貧困をなくすというのも根本が大事で、何でそもそも所得が低いのかと考えると、農作物が売れないとか、水がない、病院がないため平均寿命が短いなど色々な問題が重なり合っています。これらをひとつひとつ細分化していって、根本から解決していくことが本当にこれからの時代は求められていると思います。


――日本にいる私たちは何ができるのかと考えたとき、例えば、子どもたちに水の大切さを教えてあげることがあるのかなと思います。日本ではつい必要以上に使ってしまうこともあるけど、世界ではそうではなく、水というのは貴重で大切なものなんだよと教えてあげる。それが長い目で見たとき大切じゃないかなと思います。

先進国というのは、何においても使いすぎているということがあるんですね。食べ過ぎているし、フードロスも多いし水もあんなに使う必要ないんですよ。そういう私も朝起きて水を使い、ジムでシャワーを浴びてとたくさん使っていますけど。

しかし、世界の半分以上のところで、水が自由に入手できないということを子どもたちに教育していく、そして我々もそれを考えて日々暮らしていくというふうになればいいなと思います。

【the SOCIAL opinionsより】