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日韓関係“冷え込み”の一方、両国の交流は

2019年6月29日 18:18

G20大阪サミット出席のため、約1年ぶりに来日した文在寅大統領。安倍首相とは何度か握手を交わしただけで、意欲を示していた日韓首脳会談は実現しなかった。いわゆる元徴用工訴訟などで両国の主張は全くかみ合わず、外交筋などからは、「過去最悪の関係だ」との指摘も上がっている。

その一方、日韓の文化交流は厚みを増している。ソウルにある日本食専門の料理学校。この日、韓国人の生徒が作り方を学んでいたのは「サバのつみれ焼き」。生徒の中には、飲食店の開業を目指す人のほか、すでに日本食の店を経営している人もいる。

日本食を学ぶ韓国人「日本の居酒屋を営んでいて、もう少ししっかり学びたいと思った」

韓国にある日本食の店は約1万8000店。この5年間で4割近くも増えている(韓国国税庁調べ)。日本食を学ぶ韓国人の生徒は日韓関係について――

韓国人学生「(日本を)政治的には憎むこともあり得るが、文化的には憎むことはない」

こちらはソウルのダンス教室。K・POPにあこがれる日本の若者たちもレッスンを受けていた。

日本からの受講生「韓国でアイドルになることを目指しています」「国に関係なく友達になれる」

日韓の文化交流が広がる一方、両国間のとげとなっているのが元徴用工訴訟。韓国では賠償を命じられた日本企業の資産が差し押さえられ、売却のための手続きが進んでいる。

国民大学日本学科・李元徳教授「(日本企業の資産が)現金化され賠償にあてられた場合、日韓間で経済報復措置がエスカレートする可能性が高く、民間交流にも大きな影響が出るのではないか」

日本側からは韓国への報復として「ビザなし渡航の制限」を求める声もあり、冷え込んだ関係が文化交流にも暗い影を落としかねないとの懸念が出ている。